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『転生したら剣でした(6)』超熱い武闘大会の感想(ネタバレ注意)

 

激熱な展開!

転生したら剣でしたの最新刊が半年ぶりに発売しました!

表紙イラストも今までのものより格好良いと思います。

異世界転生ものの小説と言えば、ファンタジーの世界観の中で冒険者・貴族・ダンジョンといった要素が出てくるのが主流で、本作品もその主流の中にあります。

しかし、武闘大会という要素が出てくるのは珍しいですよね?

そもそも、昔の少年漫画には頻繁に登場した武闘大会ですが、最近はあまり見かけなくなってきたような気がします。

ドラゴンボール』の天下一武道会

幽遊白書』の暗黒武術会

烈火の炎』の裏武闘殺陣

史上最強の弟子ケンイチ』のDオブD

などなど、武闘大会が出てくる作品で僕がパッと思い出すのはこの辺です。DオブDは比較的記憶に新しいですが、それでも何だか懐かしい作品が多いですね。

それとも僕が知らないだけで武闘大会をやってる作品もあるのでしょうか?

ともあれ、転生したら剣でしたの最新刊は、そんな古き良き武闘大会のエピソードとなります。

無口だけど内に熱いものを秘めた小さな女の子が戦い抜いていく姿に注目です!

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本作の概要

ウルムットの武闘大会がついに開催されます。

獣王を警戒していた師匠とフランは最初、必要以上に目立つこと避けようとしていましたが、ひょんなことから獣王が実は敵ではない。どころか黒猫族にとって味方であることが判明したため、武闘大会で出し惜しみする必要がなくなりました。

決して最強の主人公ではないフランが、格上相手に勝ち上がっていく姿が格好良いですね。

そして、ついにフランは念願の進化までを果たし、Aランク冒険者に勝利するまでに成長します。

最後はアマンダという壁に阻まれてしまいますが、フランは存分に武闘大会で活躍することができました。

黒猫族の進化の秘密も明らかになってきて、既刊の中では最も目の離せない内容になっていたように感じました。

本作の見所

「青の誇り」とフラン

フランを侮る「青の誇り」のメンバーである青猫族を屠りつつも、予選を危なげなく突破したフラン。

そして初戦の相手も「青の誇り」の、しかも団長のゼフメート。

しかし、なぜか友好的な態度を示すゼフメートに師匠とフランは困惑してしまいます。

「クズじゃない青猫族は初めて見た」

最も信頼しているはずの師匠が、「ゼフメートは嘘を言っていない」と言っても信用しきれていない様子のフランでしたが、戦いの中で現実を受け入れる準備ができてきました。

「はぁ。本当に青猫族は変わらないといけないな」

いや、読者的にも青猫族イコール本作品における悪役という印象が根付いていた所なので、「ゼフメートの言動に何か裏があるのでは?」「実力者なんだし虚言の理に対する防御策があるのでは?」みたいなことを思っていましたが、どうやら本当に青猫族の在り方を憂いているようです。

個人と集団は違うというのに、青猫族というキャラクターを記号的に捉えて偏見を持ってしまっていました。

とはいえ、やはりゼフメートは特別でした。

ゼフメートとの戦いに勝利した後、ゼフメートの剣を返しに「青の誇り」のいる野営地までやってくるのですが・・

そこではゼフメートの妹であり「青の誇り」の副団長であるセレンに、酷い応対をされることになります。

ゼフメートに抱いている好感と青猫族への嫌悪感がせめぎ合っていて、色々と整理しきれていない様子のフランの気持ちがわかりますね。

フランVS獣王

「青の誇り」の野営地からの帰り、獣王の強力な気配に気付いた師匠とフランは引き返すのですが・・

そこには獣王と、獣王に全身黒焦げにされたゼフメートがいました。

ゼフメートを助けるために獣王に立ち向かうフランですが、結果的に獣王との力の差を見せつけられただけでこの戦いは中断してしまいます。

言葉足らずな獣王でしたが、どうやら獣王は黒猫族を保護する立場でいるようでゼフメートと戦闘していたのも「青の誇り」のメンバを庇おうとしたからであるとのこと。

実はフランも探していた黒猫族のキアラの弟子だという獣王。

何だかトントン拍子にいっていますが、「青の誇り」の長老たちに対するフランの仕打ちがなかなか恐ろしいですね。(笑)

それにしても、前巻のラスボス感のある登場とのギャップもあってか、獣王が何だか愛嬌のあるキャラクターに見えてくるから不思議です。

ともあれ、フランにとっては獣王に目を付けられることを警戒しなくても良くなったわけですね。

Aランク冒険者への勝利

クルス、コルベルトと強敵を打ち破って勝ち上がるフラン。

コルベルトとの戦いも凄かったのですが、何と言ってもAランク冒険者のゴドダルファとの戦闘です。

持てる力をぶつけ尽くしても敵わないゴドダルファに対して、フランは最後に出し惜しみしていた「覚醒」を披露します。

いや、読んでる時「あれ、覚醒って既に覚えてたっけ?」って驚きました。

5巻から半年たっているので、内容を忘れてしまっているのかとも思いましたが、確か5巻ではルミナの存在で黒猫族も覚醒できるらしいということがわかった所までだったはずです。

そのことについては後述するものとして、驚きつつも黒天虎に進化したフランは格好良くて、圧倒的な力でゴドダルファにも勝利してしまいました。

何というか、こういう素早い感じのキャラクターの方が主人公向きで格好良いと思ってしまいます。人にもよるのかもしれませんけど。

黒天虎への進化

いつのまにか「覚醒」を覚えていたフラン。いきなり使わせて読者も驚かせて、後から「覚醒」を覚えた経緯のエピソードを入れてくるという。

こういう構成好きです。

作者の思惑通りに驚かされました。

黒猫族進化の秘密だけではなく、神剣のことというか師匠の出自の秘密のことについても少しずつ明らかになっていきそうな感じですね。

ともあれ、リスクをおかしてまでルミネがフランのために覚醒の手助けをしてくれた甲斐もあって、フランは黒天虎への進化を遂げます。

感極まったフランが泣き出すシーンは感動的でした。

成長したフランと立ちはだかる壁

フランVSアマンダ。

とてつもなく濃い10秒の戦いでした。

フランのことを気にかけているアマンダは、フランの実力を認めつつも、自分はまだ成長途中であるフランにとっての壁にならなければならないと考えています。

勝戦のための温存も考えずに、自分の愛武器をも犠牲にして圧倒的な勝利を手にしたのはアマンダとなりました。

「私の完敗・・・」

戦闘能力そのものは追いついているものの、観察眼と試合運びで圧倒的に劣っていたフランは自分の負けを認めました。

その後、武器を失ったアマンダは決勝には敗れ、凶悪な技でフランが3位決定戦に勝利し、武闘大会は幕を下ろしました。

何か、アマンダとフランの関係って良いですよね。

フランは師匠(剣)のことを師匠と呼んでいますが、アマンダもある意味師匠的な立ち位置のキャラクターなのだと思います。

いつもフランについて行こうとして連れ戻されるような愛嬌のある部分もありますが、今後もフランの方が強くなってきたとしても、きっと尊敬され続けるようなキャラクターになっていくような気がします。

総括

いかがでしたでしょうか?

残念ながら成長したフランでも優勝はできませんでしたが、武闘大会は本当に激熱でしたね。

そして、青猫族にも良いヤツがいることや、獣王が実は敵ではなかったことが判明したところで次の目的地は獣人国。

念願の進化を果たしたフランにも、まだまだ敵わない実力者がいます。

獣人国ではフランにどのような成長と喜びをもたらすのか?

今後の展開にも目が離せません!