『本好きの下剋上第四部(7)』アニメ化情報もどんどん出てきて盛り上がっている作品の感想(ネタバレ注意)
『本好きの下剋上』のアニメは2019年10月に決まったようですね。
マイン、フェルディナンド以外のキャストも公開され、ますます期待が高まってきます。
そして、今巻の内容については前巻の後日談的な色合いが強かったような気がします。
前巻ラストで頭を抱えていた保護者たちに厳しく怒られるのかと思いきや、逆に養母のフロレンツィアにローゼマインに厳しくばかりしていることを怒られたからか少し優しくなっているのが面白いです。
ハンネローレはやっぱり可愛いし、いつもは働いてばかりいる印象のフェルディナンドの人間味のある一面も見れたりします。
それに、今後ローゼマインをハルトムートのように盛り上げていきそうなクラリッサも登場して、今後の展開にますます期待が持てる感じになってきました。
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本作の概要
前巻では本当の色々なことがあって、その影響でエーレンフェストに帰還命令が出てしまったローゼマインは、今巻もなかなか本に触れあえません。
聖典を検証する羽目になったり、魔獣ターニスベファレンの件では中央の貴族や神官長や教師陣に取り囲まれての事情聴取。
なんとか乗り切ったものの大変な目ばかりにあっています。
一方で、引き際をわきまえたお茶会をこなすことができるようになりつつあったり、一年生の頃には出られなかった領地対抗戦にも参加できたり、成長が見える部分もあります。
本作の見所
様子の違う保護者たち
ローゼマインが領主の養女になって以降の『本好きの下剋上』において、いつも面白くて楽しませてくれるのは何かしらローゼマインがやらかして、それに頭を悩ませる保護者たちとの掛け合いですよね。
周囲から見たローゼマインの異常性をもっとも肌で感じ、理解していながらも想像を超えてくるローゼマイン。
エーレンフェストはローゼマインの活躍があって発展していきそうな様子もありますが、そのローゼマインをコントロール保護者たちが最も持て余している感じが面白いのです。
何とか暴走しないように抑えつけようと、いつも厳しくしていますね。
しかし、今回はフロレンツィアにローゼマインを叱ってばかりいることを怒られたからか、保護者たちの在り方に少し変化が出てきているのが興味深いです。
「数日間でよくわかったが、其方はフェルディナンドに毒されて子供の体で働きすぎだ。あれが社交に精を出している間、少しはゆっくりしろ。貴族院からの帰還理由は静養であろう?」
ジルヴェスターが監視役として側に置かれているのを鬱陶しがっている本音があるとはいえ、ローゼマインに静養させる建前を作って神殿に向かわせようとするシーンが地味に好きです。
お茶会で失神しないローゼマイン
前巻のラスト、ハンネローレとヒルデブラントとの本好きのお茶会でお約束のように失神したローゼマインでしたが、今巻からは最初から途中退席する前提で、途中退席の目安とするために魔石を持って出席することで普通にお茶会をこなせるようになっています。
虚弱体質のローゼマインが唐突に失神して周囲をオロオロさせるエピソードも面白いですが、こういう社交をこなせるようになっていった方がストーリーも進展していきやすいような気もするので、もしかしたらより一層広く活躍するローゼマインが今後は見られるかもしれませんね。
聖典検証で何かがありそう
「汝、王となるを望む者」
ジルヴェスターの建前上の指示で聖典を調べることになったローゼマインですが、ササっと終わらせようとしていたところローゼマインにも見覚えのない文章と魔法陣が浮かび上がるようになっていました。
そこには王になる方法。王の資格について書かれていました。
「・・まぁ、わたしは王にならないから、王になる方法なんてどうでもいいんだけど」
・・なんてことをローゼマインは思っていますが、この出来事はローゼマインの真意に関わらず何か波乱の原因になりそうな感じがしますね。
実際、これをフェルディナンドに相談した結果、何も見えない体を貫くことに決まりました。
魔獣ターニスベファレンの件にともなう事情聴取でも聖典を巡る話題が繰り広げられますが、ちょっと珍しいくらい緊張感のある展開になりましたね。
フェルディナンドのディッター勝負
ダンケルフェルガーとのディッター勝負は今巻の見所の一つだと思います。
いつもは研究者かローゼマインの保護者としての性質が強く出ているフェルディナンドが格好良く戦う姿が描かれています。
『本好きの下剋上』のキャラクターの中でもジョーカー的な立ち位置というか、登場すれば大抵の問題はなんとかなるイメージのあるフェルディナンドが、ダンケルフェルガーのハイスヒッツェにうまく乗せられてしまったり、ディッターでも苦戦したりと珍しい姿を見せてくれます。
また、個人的にはタッグ戦ということで巻き込まれたハンネローレにも注目したいところです。
ローゼマインと同じく二年生の領主候補生ということで、一緒にディッター勝負に参加することになるのですが・・
「あ、ああ、あの、わたくしが参加すると聞こえたのですけれど・・!?」
当事者のローゼマインと違って完全に巻き込まれた形になるハンネローレ。
しかし、フェルディナンドに怯えつつも、ディッターではフェルディナンドのお守りを消費させたり、普段おっとりしている割にはしっかりとディッターに参加している姿が印象的でした。
「・・おっとりして見えるけど、やっぱりダンケルフェルガーの領主候補生だな」
ディッターが始まる前からローゼマインがそう思う程度の、戦い好きの領地の姫っぽさが出ているのが、新たな一面という感じで良かったと思います。
クラリッサ
ダンケルフェルガーといえば、ダンケルフェルガーの文官見習いであるクラリッサがローゼマインの一番の信者であるハルトムートの婚約者になりましたね。
クラリッサもまたハルトムートのようにローゼマインの信望者ですが、ローゼマインに近付くためにハルトムートに近付いたという計算高い女性です。
フェルディナンドもダンケルフェルガーの女性は計算高いと言っていましたが、まさにそれを示したキャラクターだと言えます。
しかし、そういう計算高さとは裏腹に意外とハッキリと気持ちの良い性格で、個人的には女性としてかなり好きなタイプかもしれません。
ローゼマインの信者同士でハルトムートとも相性が良く、今後『本好きの下剋上』を盛り上げていくのに一役も二役もかっていきそうな雰囲気のあるキャラクターだと思います。
総括
いかがでしたでしょうか?
次巻の発売はアニメ放送開始直前の2019年9月となります。
第1話のDVD付きの限定版も発売されるとのことで、今から本当に楽しみです。
原作では最近ずっと貴族院では領主候補生、神殿では神殿長として奮闘するローゼマインが描かれていますが、アニメ版では久々に下町のマインが見られることになりますからね。
一方で原作の方のローゼマインは、今巻は比較的落ち着いており、失神することもなく、ちょっとずつ成長している様子を見せています。
それなのに、聖典の魔法陣の件といい今まで以上に大きなことに巻き込まれていきそうな気配がぷんぷんしていて、嵐の前の静けさといった様相です。
今巻は珍しくかなりキリの良いところで終わっていますが、次巻がどのような展開になっていくのかも楽しみです。