一番の支え!魅力的な母親キャラが登場する漫画・ラノベ・アニメ作品10選
何でなんだろうと考えてみれば、やっぱりフィクション作品で描かれるのは未来に向けての話であって、そこに親子関係が描かれているのであれば子供の側がメインになるのは当たり前といえば当たり前の話なのかもしれません。
そういう意味では父親という属性のキャラクターも同じような扱いに感じられます。
しかし、良い意味でも悪い意味でも子供にとって親の影響力ほど大きいものはありません。 だからだと思いますが、物語の主人公の両親について主人公自身にスポットを当てるためにあえて触れない(ほとんど触れない)ようにしている作品も少なくありません。もちろん、そういう作品で主人公の両親が登場しない理由はそれだけではないかもしれませんが、そういう一面もあるのではないかと僕は考えています。
逆にメインキャラ級に両親が登場する作品の場合、かなりその影響力が大きいように感じられがちな気がします。
本記事では、そんな両親の中でも母親属性のキャラクターの中から個人的に魅力的だと感じるキャラクターを紹介したいと思います。
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- 10位.浦飯温子(幽遊白書)
- 9位.野原みさえ(クレヨンしんちゃん)
- 8位.工藤有希子(名探偵コナン)
- 7位.坂井千草(灼眼のシャナ)
- 6位.野比玉子(ドラえもん)
- 5位.ベルメール(ONE PIECE)
- 4位.天羽雅音(ウィッチブレイド)
- 3位.チチ(ドラゴンボール)
- 2位.陽炎/影法師(烈火の炎)
- 1位.本田今日子(フルーツバスケット)
10位.浦飯温子(幽遊白書)
『幽遊白書』の主人公である浦飯幽助の母親であり、息子と同じく破天荒な性格をしています。その言動は一見するとあまり良い母親には見えないところもあり、いわゆる毒親のように感じられるところもあるのですが、息子への愛情は息子である浦飯幽助本人が想像もしていなかったほどに深く、事故死した際に泣き崩れていた姿は浦飯幽助が自分が死んだことを悲しみ人間がいると自覚するキッカケにもなりました。
そういう意味では、当初は浦飯幽助が生き返るための物語であった『幽遊白書』という作品の重要なキーパーソンでもあるのですが、アニメ版では大幅に出番を削られるなど不遇なところもあります。
その理由も、主人公の母親が傍にいると影響力が強くて浦飯幽助を思うように動かせないというところにあったらしく、まさに母親という属性の影響力の強さを再認識させられるエピソードでもあると感じます。
9位.野原みさえ(クレヨンしんちゃん)
『クレヨンしんちゃん』の主人公は幼稚園児の野原しんのすけですが、そういう意味では全く自立していない上に狭い世界観の中にいる主人公なので両親の存在感が強くても違和感が無い珍しい作品なのではないかと思います。
どちらかといえば、時折素晴らしい言動を見せる上に実は意外と格好良い父親の野原ひろしにスポットが当たることが多いですが、母親の野原みさえもまた愛情深い良い母親だと思います。
近年の劇場版では、ヒロインどころかほとんど主人公クラスの活躍を見せたこともありますが、まさに母親の愛情が溢れた作品になっていました。
余談ですが、アニメ版放送開始時に野原しんのすけと同世代だった子供も今や野原みさえよりも年上になっています。そういう意味では今の世代の母親に母親の姿を教えてきたキャラクターであるとも言えるかもしれませんね。
8位.工藤有希子(名探偵コナン)
フィクション作品に登場する母親キャラクターには一種の格好良さがあることが多いような気がしますが、『名探偵コナン』の工藤有希子もまた非常に格好良いキャラクターですよね。
怪盗のような変装の技術を持っていたり、探偵のような推理力も持っていたり、『名探偵コナン』に登場するキャラクターの中でも意外とハイブリッドな能力の持ち主でもあります。
主人公の工藤新一(江戸川コナン)の母親なわけですが、息子が命の危機に瀕して幼児化したことを聞いて心配して自身の元へと連れて帰ろうとするものの、しかしそれが息子の意思とは違うことを知ったらその意思を尊重しようとします。
少々浮世離れした母親ではありますが、息子とのことを心配はしつつも信頼している姿は母親のお手本のようでもあって興味深いと思います。
7位.坂井千草(灼眼のシャナ)
『灼眼のシャナ』の舞台は普通の現代社会ですが、その裏側では異能力者と異世界の住人との戦いが行われているという作品となります。
主人公の坂井悠二はその裏側に巻き込まれていくタイプの主人公ですが、その母親である坂井千草はあくまでも普通の現代社会の住人であり、普通であれば存在こそするものの物語上はあまり関わってこないタイプのキャラクターなのではないかと思います。
しかし、坂井千草の場合はあくまでも一般人であるにもかかわらず坂井悠二を通してそれとは知らずに裏側の世界の住人とも関わることがあります。そして、あくまでも普通の一般人の母親らしさを損なわない範囲で、そうした裏側のキャラクターへも影響を与えていく所があるのが興味深いキャラクターなのではないかと思います。
母親という属性の影響力が邪魔になることもあるから多くの作品で母親はモブキャラになっているのではないかとは思っているのですが、モブキャラのまま実は物語に大きな影響を与えているという意味で珍しいキャラクターなのではないかと思います。
6位.野比玉子(ドラえもん)
遊んでばかりいて勉強しなかったりしたら母親は怒るものであるということを、のび太のママこと野比玉子から学んだ人は多いのではないでしょうか?(笑)
昭和後期から平成にかけての小学生の子を持つ母親のイメージとして、これほどしっくりくるキャラクターも逆に珍しいですね。いや、個人的に自分の母親と比較すると似ても似つかないのですけど、どうにも野比玉子には母親のイメージとイコールになるところがあるような気がするのです。
現代においてはあまりこのように怒る母親は珍しいような気もしますが、そもそも怒るという行為はもの凄く疲れるもの。のび太を繰り返し叱ることの労力は想像に難くありませんが、それを思うとこのママの怒りの度合いはそのままのび太への愛情であるとも捉えられます。
・・なんてことは子供にはなかなか理解できない所なのだと思いますが、そう考えると野比玉子もまた素敵な母親なのではないかと思います。
5位.ベルメール(ONE PIECE)
『ONE PIECE』における麦わらの一味の航海士ナミの義母であるベルメールは、娘とも大人げなく喧嘩することもある子供っぽいところがあって、それに要領の悪いバカと言われてもしようがない性格をしているのですが、そんな不器用な愛情がとてつもなく格好良いキャラクターです。
長い『ONE PIECE』の連載の中では刹那的にしか登場していないキャラクターであるにもかかわらず、そんな不器用な格好良さがその他の個性的なキャラクターの数々を差し置いて印象に残っている人は少なくないのではないでしょうか?
「口先だけでも親になりたい」と、ナミやその姉のノジコの母親を名乗るために命を賭した姿は、あまりにも哀しくて感動的でした。
4位.天羽雅音(ウィッチブレイド)
母親という属性のキャラクターは物語への影響力の大きさからあえて存在感を薄くされがちとは前述したところですが、『ウィッチブレイド』の場合はその母親自身が主人公という珍しい例となります。
天羽雅音には記憶障害がありある時期より前の記憶が無いのですが、記憶喪失時に持っていた母子手帳から天羽梨穂子が娘であると認定されていました。しかし、実はこの母娘には血縁関係が無いことが後々明らかになるという複雑な関係だったりします。
実の娘だと思っていたら違ったことに葛藤はあったものの、最後に天羽梨穂子のために戦う姿は本物の母親と同じ愛情が含まれていたような気がします。
3位.チチ(ドラゴンボール)
ギャグ系から始まったバトル系少年漫画『ドラゴンボール』ですが、作中での時間経過が非常に長くキャラクターの年齢的な成長が地味に興味深い作品だったりします。
最初ははねっ返りでお転婆な小娘というキャラクター性で登場したチチも、その後は美しい女性へと成長したかと思えば、意外にも子供の教育に熱心な母親へと転身し、最後には孫ができておばあさんになるという歴史の感じられるキャラクターです。
年齢を重ねるごとに年相応の性格に変わっていくのに、しかしちゃんと根本のところは同じチチなのだということが分かるのが興味深いところですね。
息子の孫悟飯の将来が何より大切で、父親の孫悟空が孫悟飯を修行に連れて行こうとする時は大抵何かしらの危機があるのですが、渋々修行を許可することもあるものの、それでも基本的には孫悟飯の将来の方が危機的状況よりも優先度が高いという息子大好きお母さんです。
2位.陽炎/影法師(烈火の炎)
『烈火の炎』における主人公の烈火の母親である陽炎は、母親という属性のキャラクターの中では他にあまり例がないほど重要な役割を担っています。
最初は敵として登場した上で烈火たちを物語の主軸へと巻き込んでいく役割を担っているかと思えば、そもそも物語の主軸である火影の因縁の中心に近いところにもいて、母親でありながらヒロインの一人くらいのレベルで活躍することになります。
また、肉体年齢はかなり若いものの400年以上生きてきたこともあり、若い女性らしい可愛らしい一面を見せることもあるかと思えば、基本的には妖艶さのある面白いキャラクターでもあります。
赤ん坊だった息子が高校生になってから、しかも敵として再会したことで最初は親子関係がぎこちない感じなのですが、徐々に距離感が変わっていくところが見所です。
1位.本田今日子(フルーツバスケット)
『フルーツバスケット』は様々な親子が描かれているのが特徴的な少女漫画ですが、そんな中でも最も心に残る親子はやはり主人公である本田透とその母親の本田今日子だと思います。
とはいえ、本田今日子は物語の最初から既に故人なのですが、であるにも関わらずその影響力が娘である本田透にあまりにも深く根付いていて、本田透を通して本田今日子とはどのような人物だったのかがひしひしと伝わってくるのが興味深いところです。
若い頃は伝説的なヤンキーだった本田今日子の影響を強く受けた娘が良心の塊のような人間に育っていることに妙な納得感があるのも面白いところで、その納得感の正体は本田今日子が娘によく言っていたという「人は良心(やさしさ)を持って生まれてこない」「良心は体が成長するのと同じで自分の中で育てていく心」というセリフにあるのだと考えられます。
本田今日子の良心が育つまでには本田透の父親との出会いをキッカケとした経緯があるわけなのですが、それで良心は育つものだと気付いた本田今日子は最初から自分の娘には良心が育つように育てたのだと思います。