独学のみで囲碁は覚えられる! 独学で僕が辿った道のりを紹介
こちらにも書きましたが、近年囲碁・将棋の注目度が高まってきています。
なかなか将棋ほど盛り上がらない囲碁ですが、まだ波が残っている内に少しでも囲碁人口を増やして欲しいものですね。
やはり初心者の入門難易度の高さがネックなのでしょうか?
将棋の場合、ちょっとルールを覚えたら最後まで指しきるのはさほど難しいことではありません。今日おぼえて今日最後まで指しきることもできることでしょう。
しかし、囲碁の場合だと19路盤で最後まで打ち切ることができるというのは、既に1枚分くらいは壁を突破した棋力に達していると言えます。
つまり、ゲームとして楽しむことができるようになるまで一定の努力が必要になるということです。
そういうイメージがあるから覚えやすい将棋に流れる人が多く、いざ囲碁を始めた人も面白さを感じる前に離れてしまう。
そこが将棋に比べて囲碁の競技人口が少なくなっている原因の一つであることは間違いないでしょう。
僕も最近、定年した母親に囲碁を教えているのですが、初心者に囲碁を教えることの難しさを実感しています。
とはいえ、囲碁が素晴らしいゲーム性を兼ね備えたゲームであることは間違いありません。
僕は子供の頃からTVゲーム好きで、相当な時間をゲームに使ってきましたが、囲碁ほどハマったゲームは今のところはありません。
もちろん、努力してある程度の実力を身に付けたところで肌に合わないという人もいるかもしれませんが・・
しかし、それだけの理由で1度も囲碁に触れないまま人生を終わらせるのはもったいないと思います。
まずは、少しだけでも囲碁に触れてみてはいかがでしょうか?
囲碁を続けるかどうかを判断するのはそれからでも遅くはないはずです。
それに、ある程度までは独学でも十分に強くなれるはずです。
僕の場合、最初のきっかけ以外は完全に独学でしたが、それでも低段程度の実力は身に付けることができました。
この記事では、僕の経験を元に初心者が独学で囲碁を覚えるまでの道筋を紹介したいと思います!
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私の囲碁歴
ここでは僕の囲碁歴を時系列順に紹介したいと思います。
まずは、こんな風に独学でも楽しんで囲碁を覚えられるんだということを感じていただければ幸いです。
※見出しのカッコ内の棋力は当時の僕の推定棋力です。
キッカケ(50級)
ヒカルの碁の影響で囲碁を始めた友人に、マグネット盤があるからちょっと囲碁をしようと言われ、その時に簡単なルールを教わったのが最初です。
そして、僕が囲碁を人に教わったのはこの時が最初で最後でした。
しかも、教えてくれた友人が初心者だったこともあり、この時教わったルールにもかなりの間違えがあったことが判明しています。
そういう意味で僕の囲碁歴は、人に教わったことはない(つまり独学)と言っても差し支えないものだと考えています。
まあ、あくまでもキッカケですね。
興味を持ち始める(30級)
友人に教わったことで囲碁に興味を持つ前にヒカルの碁に興味を持ちました。
ヒカルの碁の作中にはルールを説明するようなミニコラム等もあって、超基本的なルールはそこで覚えたような気がします。
ただし、この段階では囲碁ってこういうゲームなんだと認識した程度ですね。
しかし、ヒカルの碁を読んでキャラクターの反応と照らし合わせながら、「何だかよくわからないけど白が勝ってるんだ~」という感じで描かれている盤面に興味を持って眺めていました。
超基本的なルールはわかりかけてたので、この段階では「この辺が白の陣地なのかな~」といったことが漠然とわかりかけていたこと。それに、盤面の石の並びが綺麗だと思い始めていたこと。そういうこともあって自分でも打ってみたいと思うくらいに興味を持ち始めていました。
囲碁のルールを覚える(25級)
普通なら初心者向けの書籍でも購入する所なのでしょうが、早く対局してみたかった僕はGBAのヒカルの碁のゲームを購入しました。
幸いにもこのゲームは、問題を解きながら囲碁のルールを初心者向けにかなり丁寧に教えてくれるので、下手をしたら初心者向けの書籍以上の効果があったと思っています。
Amazoneレビューを見てほしいのですが、入門向けゲームとして優秀だと思っているのは僕だけではないようですね。
古いゲームでしかもGBAなので、対局時のコンピューターの思考時間が長すぎるという欠点はあるものの、初心者向けに囲碁を丁寧に教えてくれる部分だけでも価値はあると思います。
弱いAIに勝てるようになる(20級)
そして、ヒカルの碁2の弱いAIに勝てるようになるまではさほど時間が掛かりませんでした。(たぶん一週間は掛かってないはず。)
といっても、当時のモンテカルロが登場する前の囲碁AIです。しかもGBA程度の性能なのでゲーム中最強の設定でもとても弱かったです。
9子置かせて圧勝するのも難しくない程度で、逆にそこまで圧勝できるくらいになったとしても棋力は20級程度だったのではないかと推測しています。
対人戦に挑戦する(18級)
19路盤で打てるようになった段階で対人戦をやってみたいと思うのは自然な流れでしょう。
僕の場合、最初は当時流行っていたハンゲームで囲碁を打ってみました。
競技人口の少ない囲碁ですが、ネット上には幅広い棋力の人がたくさんいて、初心者に毛が生えたようなレベルの僕とでも互角に対局できる人も大勢いました。
そして現在に至る(低段)
さて、「そして現在に至る」とタイトルをつけたものの、そこを詳細に記すつもりはありません。
というのも、対人戦に挑戦できる程度の棋力(18級)を備えた段階で、実際のところここまできたら囲碁の魅力を感じ始めるのには十分だと思うからです。
そして、自分一人で強くなっていくのにも十分な棋力だと言えます。
ここから先は対局数を重ねてある程度の棋力向上を計り、後は少しずつ自分に足りないものを見つけては補っていくことの繰り返しです。
僕の場合、7級くらいまでは対局のみで勉強らしい勉強をしたことがありませんでしたが、7級くらいで伸び悩んで棋書を読んだり、テレビの解説を真面目に聴くようになりました。
具体的に独学で囲碁を覚える手順
さて、ここまで僕が独学で囲碁を覚えてきた経歴を紹介しましたが、もちろん時代や使えるツールも違うので、同じようにするのは効率が悪い意味もあります。
とはいえ、独学で囲碁を覚える感覚はわかっているので、今独学で囲碁を覚えるならこうするだろうとい手順を考えてみました。
人によっては合わない可能性もありますが、一応独学で囲碁を覚えた僕の考えなので一定参考にできるとは思います。
もちろん教えてくれる人がいるに越したことはありませんが、人に教えられるほどの実力者が周りにいることは稀なことでしょうし、この記事で囲碁を覚えましたって人が出てきたら嬉しいですね。
手順1.初心者向けの本を購入する
近年ではネット上にも初心者向けにルールを説明したサイトがありますが、やはり一冊くらいは初心者向けの本を用意した方が良いと思います。
その方がモチベーションにも繋がりますしね。(笑)
早く対局したいところだとは思いますが、さすがにルールを知らなければ打てません。
とはいえ、この段階で入門書を最初から最後まで読む必要はないと思います。(余裕があれば読むに越したことはありませんが)
最初のルール説明だけ読んでおけば十分で、コウやセキといった難しい所は横に置いておきましょう。
大抵の入門書には詰碁、手筋、定石、布石についても簡単に載っていますが、この辺にこの段階で手を出す必要はありません。
ちなみに、入門書としておすすめなのは以下の本。僕が母親に囲碁を教える際に選んだ入門書ですが、基本的な所から順を追ってわかりやすくオールカラーで説明されていています。
中には初心者には難しいのではと思われる内容も載っているのですが、説明がわかりやすいお陰で気にならないと思います。また、簡単な詰碁(ナカデの考え方など)や基本手筋など、実戦的な内容も含めて載っているので、まずは対人戦できるようになるまでに必要な情報は十分です。
手順2.9路盤でAIと対戦してみる
基本的なルールを覚えたらさっそく対局をしてみましょう。
まずはAIを相手にするので尻込みする必要はありません。
ここでの目的は囲碁を打つという感覚を身に付けることです。
そして、あわよくば手順1では飛ばした所を身に付けること。
ある程度、対局を繰り返すとコウやセキのような形も出てくることがあるはずです。これらの形は、現れて初めて「あれ、こういう時どうするんだ?」と疑問に感じることができるものだと思います。
手順1でコウやセキを飛ばしたのは、できれば実際に経験してからそれがどういうものなのかを調べた方がわかりやすいと思ったからでした。
僕の場合も、セキは最初セキと知らずに漠然と「この位置に打ったら取られるから打てないな~」とか思っていました。(笑)
実のところ、なかなか経験することのない珍しい形(隅のマガリ四目など)だと、有段者でもわかっていないようなケースもあります。
しかし、経験したことのある人はみんな(じゃないかもしれませんが)後からわかってくるようになります。
コウやセキも出現頻度が高いというだけで、そういう珍しい形と同じだと思っているので、ある程度経験してから覚えたら良いという考え方ですね。
ちなみに、9路盤で対局できる囲碁AIについては無料のアプリが山ほどあるので探すのに困ることは無いかと思いますが、困ったらブラウザ型のCOSUMIというサイトが有名どころなのでこちらでどうぞ。
注意点としてはあまり強いAIと打たないこと。
初心者では絶対勝てないので自信を失ってしまいます。
むしろ弱いAIと打って自分でも勝てるのだと思えるようになって欲しいです。
手順3.9路盤で対人戦を経験してみる
AIとの対局にある程度慣れてきたら、今度は対人戦に挑戦してみましょう。
目的としては手順2の延長線ですが、
この段階ではまだ19路盤は難しいと思うので、9路盤が良いと思います。
最近ではスマホアプリで9路盤、13路盤といった小路盤の対局が盛んなので、対戦相手に困ることはありません。
同じくらいの棋力の人と自動マッチングしてくれる囲碁クエストというアプリがおすすめです。
初心者レベルの打ち手もかなりいるっぽいですよ。
注意点としては、同じくらいのレベルの人がいない時には、かなり格上とマッチングされてしまうことがあるという点。
相手のレートが異常に高い場合は、ボコボコにされても気にしないようにしてください。
まあ、超格上と互先で対局することができることがあるのは囲碁クエストの良い所でもあるので、負けても「ありがたいな~」くらいに思っているくらいで良いかもしれません。
あとは、実戦を通して簡単な手筋や石の取り方(詰碁)なんかを身に付けていけば良いと思います。
ある程度実戦を繰り返した後に、改めて入門書を読み進めてみましょう。
石を取ったり取られたりした経験があれば、手筋や詰碁などの理解が深まるのではないかと思います。
また、キリやノビ、ツケといった囲碁用語についてもこの段階で覚えましょう。
これらを覚えるのは、対局する上で必須ではありません。しかし、打つ手に困った時に呼び名のある手を選ぶのは無難な選択になり得るので、より広い19路盤で打っていくようになることを考えたら、この辺で覚えておくのが良いという考えもあります。
それに覚えるといっても、既にある程度実感で分かってきているはずなので、苦もなく覚えられるのではないでしょうか?
手順4.布石の基本的な考え方を覚える
さて、9路盤の対局に慣れてきたら、いよいよ19路盤に進んでいきたいところですね。
しかし、その前に入門書に戻って布石な基本的な考え方を覚えましょう。
9路盤には布石はありませんが、19路盤はある程度布石がわかっていないとどこから打って良いのかわからなくなると思います。
といっても、中国流の布石やら三連星の布石やら、相手がこう打ってきたらどう咎めるのだとか、そういう難しいことを覚えようというのではありません。
まずは隅に打って、辺にヒラいて、隅の石にカカって、中央に展開して・・といった1局の基本的な流れだけ覚えれば良いです。
盤面が広いので、何となくどの辺に打てば良いのかという感覚だけは知っておく必要があるのですね。
逆に言えば、この段階ではそれだけで良いです。
定石なんかもまだ覚える必要はありません。
というか、定石は実戦を繰り返している内に勝手に覚えるので、本当に必要だと思うまでは手を出す必要はないかと思います。
手順5.19路盤の対局を経験してみる
手順4まで準備したら、後は環境を整えさえすれば19路盤での対局は難しくないでしょう。
以下、大手のネット碁会所から好みの場所を探しましょう。
僕の現在の主戦場は幽玄の間ですが、無料で始めるなら野狐が最近人気ですね。
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手順6.あとは精進あるのみ!
ここまで来れたら後は精進あるのみです。
対局を続ける上で自分に足りない部分が見えてくるはずです。
最初に大きくリードされてしまいがちなら布石や定石。終盤に逆転されがちならヨセ。大石を取られたり取り損ねたりすることが多いなら死活。
そういった具合に自分の弱い部分を強化してきましょう。
それができる素養は既にできあがっているはずですよ!
囲碁に興味が出てきた人、こちらもよろしければどうぞ!