姫野さん、くいだおれる。お嬢様の大阪グルメ漫画1巻の感想
5、6年くらい前でしょうか?
グルメ漫画が次々と増え始めたのは。
一時的な流行かと思いきや、今でも全ては把握しきれないくらい多様なグルメ漫画が出版され続けているような気がしています。
食欲の力は偉大ということでしょうか?
姫野さん、くいだおれる。
本作はそんなグルメ漫画の一つです。
数多あるグルメ漫画から本作に興味を持ったのには理由があります。
関西人の僕としては、大阪グルメをテーマにしている点に少なからず惹かれ、多様なグルメ漫画の中から本作に興味を持った次第となります。
お嬢様と大阪グルメというギャップ(?)が面白そうだと思ったのも理由の一つです。
結論から言うと、大阪グルメが食べたくなる良作だったので読んで良かったです。
これだけ様々な切り口のグルメ漫画があると、全部は読めなないので何か惹かれる要素があるものを選んでしまいますよね。
そういう意味では、この記事が本作を読みたいと思う「選ぶ要素」。つまりは「きっかけ」としてくれる人がいると僕としては感激なのですが、そうなるように頑張って紹介していきたいと思います!
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本作の概要
名前的に阿倍野区にある設定なのでしょうか?
名門私立の聖ハルカース女学園。
その生徒会長を務めるのが主人公の姫野レイカとなります。
才色兼備の帰国子女で、バレエやピアノを嗜んでプロ顔負けの腕前と噂されるような、いわゆるテンプレお嬢様キャラですね。
しかし、隠れて一人で大阪の下町に繰り出し、大阪のグルメを堪能するのが趣味というギャップある一面を持つところが魅力的です。
典型的なお嬢様キャラが大阪グルメを恍惚とした美味しい笑顔で読者の空腹を刺激してくる。そんな作品ですね。
幕間の「姫野メモ」に書かれているグルメなトリビアも面白いです。
本作の見所
新世界の串カツ
新世界でしょうか?
ちょっと寄りたいところがあるとレイカが訪れたのは串カツ屋。
こういう店って独自のシステムとかがあって近寄りがたさがあり、僕なんかは入る度胸がなかなか出ないのだけど、レイカは事前に調べて通ぶっています。
痛々しいかもしれないとレイカは思っているようですがそんなことはありません。
あまりの美味しさにソースを漬けずに二本目にがっついてしまい涙目になっているレイカが可愛いです。
紅しょうがの串カツとかめちゃめちゃ美味しそうですね。
僕は関西人でありながら今まで串カツ屋に入ったことはないのですが、串カツが食べたくなってきました。
鶴橋の焼肉
鶴橋は本当に焼肉屋が多いですよね。
美味しい焼肉屋はどこにでもあるので、わざわざ鶴橋まで行ったことはないですが興味はあります。
ハラミにミノに骨付きカルビ。
言わずもがな美味しそうですが、本当に水中眼鏡が置いてあるような焼肉屋が実在するのでしょうか?
ちなみに、カルビって美味しい部位の代表格ですが、原価率が低いので焼肉屋にとっては別の意味でも美味しい部位だったりするそうです。
十三のお好み焼き
放出(はなてん)と並んで関西人以外は読めない人が多い地名。十三(じゅうそう)のお好み焼屋にレイカはやってきました。
店の中に客はいなくて、もしかしたら美味しくないのかもと不安になるレイカですが、その気持ちはよくわかります。
行列にならぶのは大変だけど、これだけ人が多いなら美味しいのだろうと思う心理の逆ですね。
しかし、たこ酢やらおでんやら、居酒屋のような料理が出てくるお好み焼き屋ですね。
僕はお好み焼きにはライス派ですが、レイカがお好み焼きの後に食べている焼きそばも美味しそうですね。
ちなみに、姫野メモによるお好み焼きの歴史が結構古くてビックリしました。
心斎橋のオムライス
心斎橋やら道頓堀やら、この辺って古い洋食屋が結構ある気がします。
今回レイカが食するのは思い出の味でもあるハヤシオムライス。
僕はハヤシライスもオムライスも嫌いではないのですが、ハヤシライスを食べるくらいならカレーライス。オムライスを食べるくらいならオムレツを選んでしまうので、両方とももう何年も食べていませんが、レイカが美味しそうに食べているのを見たら久しぶりに食べたくなってきました。(笑)
ちなみに、こういう古い洋食屋の食べるメニューって、同じものでも何だか上品な味に感じてしまうのは僕だけの気のせいでしょうか?
大阪天満宮のバッテラ
生徒会長であるレイカに部費の増額を請求するカーリング部の女子。
純金モグモグタイマーというよくわからないものを指してこう言います。
「例えるなら・・そう バッテラの上の昆布のようなものですっ!!」
レイカは「バッテラって・・何だ?」という反応ですが、僕も同じでした。
姫野メモによると江戸前寿司よりも歴史の古い大阪の箱寿司のことのようですね。起源は平安時代と相当古いようです。
また、バッテラとはポルトガル語で小舟を意味するそうです。
カーリング部の女子が言うように、押し寿司の上に薄い昆布を乗せるようですが、想像しただけで美味しそうです。
中津のかんさいだき
リッツカールトンのフランス料理を蹴っての中津のおでんとは・・
レイカも「フランス料理も捨て難いけど」と言っていますが、おでんはいつでも良いじゃんとツッコミたくなります。
しかし、料理って値段イコール味ではないのは事実だと思うので、レイカも気持ちも少しだけわかりますね。
たけのこのおでんや、ごはんにお出汁をかけた茶漬け。
味を想像しただけでヨダレが出そうです。
ちなみに、中津って梅田から中途半端に離れた位置にあって、美味しい食べ物屋さんがあるイメージもなくて、僕にとっては通りすがるだけの街だったのですが、よくよく考えたら普通にビジネス街なので美味しい食べ物屋があって当たり前でした。
少しはレイカのように視野を広くしたいものですね。
布施のたこ焼き
ほぼレイカが一人でご飯を食べているだけの本作に新キャラ登場!
具合が悪いのを助けたお礼として自宅に招き入れられ、たこ焼きパーティがはじまります。
やっと来ました!
やっぱり大阪と言えばたこ焼きは外せませんよね!
たこ焼きと言えば、「カリっとした銀だこのたこ焼きはたこ焼きじゃない」と関西人は言うというイメージがありますが、そんなことは無いと思います。
僕もですが、そう言う前に「自分は銀だこ好きだけど~」と前置きを付ける人が多い気がします。
それに、人によるかもしれませんが自宅で作るたこ焼きは、どちらかと言えばカリッとした銀だこのたこ焼きに近いものになりがちなのではないでしょうか?
しかし姫野メモによると、たこを具にするのは明石焼きの方が先で、たこ焼きには元々は牛肉が入っていて、さらに前には具無しだったみたいですね。
総括
いかがでしたでしょうか?
僕は、大阪出身なのに大阪のグルメをほとんど知らないことに本作で気付けました。
次に本作に出てきた場所に訪れた時、レイカのように美味しそうな店を探してしまいそうです。
一つ本作に不満があるとすれば、主人公のレイカの人付き合いが見えない点。
1巻では基本的にレイカが一人で食べ歩いているので、少し寂しい感じがする作品になっているような気がします。
例えば、同じグルメ漫画の『くーねるまるた』の主人公マルタなんかは人懐っこい性格で周囲が賑やかで良いですよね。
しかし、本作も最後には新キャラらしき女の子が登場しています。
2巻以降、賑やかになってくることを期待しています!