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魔法陣グルグル。懐かしの漫画、書評シリーズ【その1】5巻

 

『にけや』で儲けてレベルアップな5巻です。(前巻の書評はこちら

4巻の書評にも書きましたが、『魔法陣グルグル』の物語が本格化してくるのは、ネコジタ谷、きりなしの塔が出てくる5巻、6巻あたりからだと思っています。

いよいよ盛り上がりを見せる『魔法陣グルグル』ですが、それなのにニケやククリは商売をしちゃってますよ。(笑)

そこでそれしちゃう~ってことがあるのも『魔法陣グルグル』の魅力なので、そういう所も含めて楽しみましょう!

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本作の概要

キタキタおやじにトマと、ニケやククリと行動をともにする仲間も増えてきました。

龍の定期便にのってネコジタ谷にあるきりなしの塔を探す冒険が始まりますが・・そこは脱線の達人であるニケとククリです。

ガタリの啓示を受けるためにいつの間にか「にけや」で啓示代稼ぎのための商売を始めてしまいます。

途中他の冒険者より冒険に乗り遅れた焦りから啓示代稼ぎを諦めて冒険に出ようとしかけますが・・手痛い敗北を喫して啓示代稼ぎに戻ります。

「にけや」再オープンですね。(笑)

そんなマイペースなニケとククリが大好きです。

ともあれガタリの啓示を受けることができたニケとククリ(あとトマ)は啓示前に敗北した魔物に再挑戦しますが・・ニケのキラキラは身に付けたばかりの能力で弱いし、ククリは力が大きくてグルグルが使いこなせなくなってしまっていました。

しかし、このピンチはトマの機転で切り抜けます。

魔物(ゴーレム)は土でできているはずと、トマが作った雨を発生させる道具。魔雷砲で魔物を撃退します。

再登場しただけあってさすがの活躍ですね。

まあ、「にけや」然り、「魔雷砲」然り、今巻のラストで気まずいことになってしまうのですが、そういう所はご愛敬ですね。

本作の見所

アッチ村の呪われた村長の像

魔法陣グルグルって、物語の節目の場面が出オチ的な始まりになることが多い気がします。

「きりなしの塔」編の始まりはアッチ村の村長でした。

ダンス大会の商品である呪われた村長の像がニケとククリに置き去りにされてしまったので、アッチ村の村長は何とかこれをニケとククリに届けようと必死ですね。

しかし、完全に出オチな始まり方ですが、実はアッチ村の村長の行動には「きりなしの塔」編において重要な役割があります。

その答えは7巻にて!

トマとの再会と龍の定期便

地味で存在感が薄いキャラという印象の強いトマですが、そういう個性は読者的にはむしろ印象に残りやすいですよね。

最初はエピソードキャラでしかなかったっぽいのに、いつの間にか主要キャラの仲間入りをしてきました。

キタキタおやじの再登場には別に驚きませんでしたが、トマの再登場には驚いたものです。

まあ、ニケもククリもどちらかと言えばボケ担当のキャラクターなのに、そこに更に大ボケ担当のキタキタおやじが入ってきたので、さすがにツッコミ担当が必要になったということなのでしょうか?

実際、トマがいる時はニケ・ククリ・キタキタおやじのボケに遠慮が無くなっている気がしますよね。(笑)

しかし、魔技師というマイナーな職業に就いたトマですが、レベルは既に10とニケやククリを軽く凌駕しています。

「ま いっか! 主役だし」

「ヒロインだし♡」

トマの成長に一瞬焦りかけるニケとククリだが切り替えが早いですね。トマも呆れています。

ともあれ、いよいよ龍の定期便に載ってネコジタ谷の冒険が始まります。

最初に龍に乗ったキタキタおやじ以外、龍が怖くて乗れなくて、キタキタおやじだけが旅立ってしまったのには笑わせてもらいました。

にけやオープン

着せかえ好きの動物。ケムケムとの戦闘で龍から降りてしまったニケ達。

ケムケムとの戦闘シーンも、お色気シーンというには大胆すぎるサービスシーンがあって見所ですよ。

ともあれ、落ちた先で幻の高僧ガタリと出会ったニケ達は、人間の隠された能力を目覚めさせる啓示(最長老様みたい)を受けるために1人当たり5万Rの大金を稼ぐことになりました。

幸いケムケム達が拾ってくるアイテムを売り捌くことでお金を稼ぐ手段があり、ククリの特性お弁当も好評です・・が、キタキタおやじがわきの下で握ったオニギリを売りに出してしまったことで急激に客がいなくなってしまいました。

というわけで、いったんは「にけや」を諦め冒険を再開するのですが、強力な魔物(ゴーレム)に行く手を阻まれてしまいます。

しかし、ニケとククリが他の冒険者の攻略していているは偽物のくさった塔で、本物はもっと先にあると進んだ先には、本当に本物と思われるきりなしの塔の影がありました。

そこで、改めて「にけや」を再オープンし啓示のためのお金を稼ぐことになります。

キタキタおやじの姿が見えないとわきの下握りの不安がよぎるため、客の見える位置に配置するのも忘れません。

その甲斐あって、ニケ・ククリ・トマ3人分の啓示代を稼ぐことができました。

キタキタおやじの分がなくて、さすがのおやじもショックを受けていました。(笑)

ガタリの啓示

盗賊。

ニケの職業が判明しました。勇者とは職業ではなく、勇者だったとしても職業は別にあるというのは確かにその通りですよね。

トマの語る盗賊の特徴がニケと完全に一致しています。

「あまり剣とかは得意じゃないけど すばやくて運が強いんですよね」

ともあれ、魔法使いククリ、魔技師トマ、盗賊ニケの啓示が始まります。

まずはククリ。コスプレ女装じじいが踊りまくっていただけのような啓示でした。

そしてニケの啓示。ククリの時は女装した変態っぽいガタリでしたが、ニケの格好をしている時は普通に格好良いですね。

光魔法キラキラが始めて発現した重要なシーンです。

せっかく格好良いシーンなのにガタリが屁をこいて終わるあたりが魔法陣グルグルらしくて好きです。

そしてトマの啓示は・・

絵的に地味なのでカットされてしまいました。(笑)

「トマは人が変わっている」

だけど冒険の準備をしているトマは、ナレーション先生がそうツッコミを入れるくらい人が変わっていて、僕は嫌いではないです。

とにもかくにもレベルアップしたニケ達はきりなしの塔を守る魔物に再挑戦します。

「倒しまくり決定!」

ククリの意気込みも凄いです。

レベルアップの成果

ククリの場合

ガタリは言っていた。力を開放しただけだと。

その言葉通り、力が強すぎて杖につかまるのが精いっぱいでグルグルが描けなくなってしまいました。

これが使いこなせるようになるのは6巻になってからなので、そこは楽しみにしておきましょう!

ニケの場合

性格がニケにそっくりの弱々しいキラキラが出てきました。(笑)

ククリと違って力が強すぎて・・というわけではないので、まだまだ活躍できる機会は先になりそうですね。

主人公らしい活躍がなかなかできないニケですが、個人的にはバッタバッタと敵を薙ぎ倒し活躍するニケよりも、こういうニケの方が魔法陣グルグルの主人公って感じがして好きです。

啓示を受けたニケよりもキタキタおやじの方が活躍しているのが面白いですよね。

トマの場合

「いちおう魔雷砲と名づけました」

後から恥ずかしい思いをすることになるセリフですが、結局トマが魔物を撃退してしまいました。

目立たないキャラだ地味だと色々言われますが、今回は一番おいしい所を持っていきましたね。

しかし、ニケとククリと違って何がどうレベルアップしたのかがよくわかりません。

そういう意味ではやっぱり地味なのかもしれないですね。(笑)

ミグミグ族の遺跡

魔物(ゴーレム)を突破したニケ達ですが、レイドとカヤが現れ谷底へと落とされてしまいます。

「そんなことより わしの珍しい空中キタキタ踊りをみてくだされ~っ」

何かと空中に投げ出される機会の多いキタキタおやじが、既に慣れ始めているのが面白いですね。(笑)

谷底にいたケムケムの案内でニケ達は遺跡にたどり着きます。

そして、そこはミグミグ族の遺跡で、幼い頃のククリがいたことがある場所だということが判明します。

ここでも具象気体ワンチンによってあることが明らかになります。

一つ目は、「にけや」で売り捌いたアイテムがミグミグ族の遺産だったこと。

二つ目は、ククリの両親からのプレゼントがトマの魔雷砲によりぶっぱなされたこと。

トマの活躍の落ちがこんなところにありましたね。(笑)

幸いにも、ククリの両親からのプレゼントはキタキタおやじのこしみのから出てきたので、トマの罪悪感は最小限で済みました。

総括

5巻は「きりなしの塔」編の前半で、まだ「きりなしの塔」にはたどり着けてすらいませんが、ククリやグルグルの秘密に少しだけ触れることができました。

そして、いよいよ6巻で「きりなしの塔」を攻略していくことになります。

こういう本格的なダンジョンの攻略はノコギリ山以来だと思うので楽しみですね。

ちなみに、怖い顔のアイツも登場しますよ!

(次巻の書評はこちら