『女流棋士フォトブック』囲碁界の新たな取り組みに対する所見
こんにちは!
ヒカルの碁の影響で囲碁を始めて15年以上のあるいはと申します!
囲碁歴が長いわりには幽玄の間4段と微妙な棋力ですが、完全独学なので褒めてください!
とまあ、漫画で興味を持った程度の人間をここまで楽しませる囲碁の世界なのですが・・
しかし、悲しいことに例えばお隣の将棋の世界と比較しても地味な印象は拭えませんでした。
僕のように本当に囲碁が好きな人は楽しめるけど、もっと多くの人を惹きつけるような求心力には欠けるところがあると言わざるを得ません。
急速に強くなった囲碁AIに若手の活躍。女流棋士の中にも男性トップ棋士と渡り合っていけそうな棋士が登場しつつあったりと、特に近年は囲碁に興味が無い層にも訴えかけられる力のありそうな出来事も多々あったのにもかかわらず、世間の注目はそこそこだったという印象です。
最近だと仲邑菫新初段あたりは、普段囲碁に興味の無い人の記憶にも残っていたりするようですが、「あ~なんか小さい子がプロになったでしょ? 凄いね!」くらいの感想があるくらいで、それ以上に興味を持つ人は少ないような気がします。
こんなにも魅力的な囲碁の世界なのに、いったい何が足りないのだろうか?
恐らく、矛盾しているようだが囲碁の魅力を伝えるためには囲碁そのものの魅力だけでは足りていないのではないかと思います。
実際、お隣の将棋の世界ではわりと早い段階からそういう方向での取り組みが上手だった印象がありますよね。
例えば、分かりやすいところだと藤井聡太先生や加藤一二三先生のように、ある意味ではキャラクターとしても名前が売れている先生もいます。また、ポケモンカードゲームなど将棋以外の大会に出場したりする棋士もいたりして露出も多い。
実力の世界であるはずなので、そういう売り出し方は少し違うと思われる人もいるかもしれませんが、こういうのはスポーツの世界でも珍しくないことだと思います。
もともとそこまで興味を持たれることの無かったスポーツが、たった一人の選手に注目が集まることで人気スポーツに昇華した事例も少なくありませんしね。
それに、もともと狭い世界なのだから、それ以外の場所に露出を増やしていくことがもたらす求心力の向上はかなり大きいのではないかと思います。
さて、前書きが長くなりましたが、そこで『女流棋士フォトブック』ですよ!
今までも囲碁の世界ではファンのために、ファンを増やすための様々な取り組みが行われていたのは間違いありません。
しかし、その中心はあくまでも囲碁であったと思います。
そういう意味で『女流棋士フォトブック』の中心は囲碁ではなく、写真集なので主役はあくまで女流棋士の先生方なわけですね。
藤井聡太先生や加藤一二三先生のような例とは形は違いますが、囲碁を打つ女性というキャラクターとして展開されているというような気がします。
もともとの囲碁ファン的には、雲の上の強豪たちの女性らしい意外(と言ったら失礼かもしれませんが)な素顔が魅力的に思えますが、囲碁を知らない人にも「こんな可愛らしい人たちが囲碁を打つんだ」と興味を持つキッカケにもなりそうだと思いました。
本記事では、そんな『女流棋士フォトブック』に対する所見を記していきたいと考えています。
女流棋士フォトブックの見所
四季コーデの写真とおとぎ話のコスプレ写真
実は、写真集というジャンルの書籍を僕は初めて読んだので、それがどういうものなのかをちゃんとは分かっていないのですが、『女流棋士フォトブック』における写真は四季コーデで各女流棋士が春夏秋冬を担当しているものと、おとぎ話のコスプレをしたものの二種類のテーマがあるようです。
「この写真が好き~」みたいに、あんまり写真そのものの感想を言ってみてもなんか気持ち悪い感じになるだけな気がするのでそこは自重しますが、「この人たち碁打ちにとって雲の上にいる凄い人たちなんだ」ってことを忘れそうになるくらい魅力的な写真ばかりだったということだけ言っておきます。
なお、さすがに写真集の画像を添付したりはできませんが、公式HPで『女流棋士フォトブック』に掲載されている写真の一部を確認することができるので、購入する前に雰囲気を知りたい人はコチラを見てみると良いかもしれません。
joryukishi-photobook.amebaownd.com
Q&Aとインタビュー
写真集とはいえその主役は囲碁棋士です。囲碁棋士としての姿とは違う一面を覗かせてくれるのはそれはそれで良いと思いますが、やはりファンとしては囲碁棋士としての人物像も気になるところです。
まあ、この写真集でなくても囲碁棋士のQ&Aやインタビューは色々な場所で垣間見ることができますが、この手作り感溢れる写真集だからこそメディアに向けた少しばかり堅苦しい意見ではない部分を知ることができるというか、雲の上の実力者としてではない人間味を感じることができて、これは意外と他では見ることができないものなのではないかと思いました。
吾輩はりんごである。
なんのこっちゃというタイトルですが、これは上野愛咲美女流棋聖の手書きのミニコラムとなります。
カラフルなイラストも交えた可愛らしいコラムですが、この手作り感が読んでいて楽しいコラムになっていると感じました。
特に平田智也先生による上野愛咲美女流棋聖の戦力分析レーダーチャートが、ネタっぽくもありますが面白かったです。
片ノ瀬結々先生のイラスト
この『女流棋士フォトブック』は、木部夏生二段と星合志保二段の両先生により企画されたものらしいですが、その星合志保二段が監修を務める漫画『こもりびの碁』の作者である片ノ瀬結々先生による上野姉妹(上野愛咲美女流棋聖と上野梨紗初段)のイラストが掲載されています。
個人的に実在の人物の漫画イラスト化って結構好きなので、このイラストの掲載ページはかなりお気に入りです。
しかし、ミニコラムといいイラストといい上野愛咲美女流棋聖の割合が若干高めなのは気のせいではないと思います。
今一番勢いのある若手の一人ということもあるでしょうけど、愛されキャラな人柄もあるのかもしれませんね。
女流棋士フォトブックの展開
Youtubeチャンネル
『女流棋士フォトブック』が革新的なのは、写真集そのものが魅力的なのもさることながらこれをキッカケ(口実)にイベント開催したりYoutubeチャンネルを開設したり、囲碁界の活性化に繋がる活動に結びつけているところではないでしょうか?
以前はそれなりに活発だった囲碁関連のニコニコ生放送なども最近は沈静化していますし、基本的にネット民である僕のような人間にとっては囲碁棋士の対局以外の姿を見る機会はとても少なくなってきています。
それだけに、個人的には実は写真集そのものよりもこういう番組が放送されていることの方が嬉しかったりします。
僕はリアルタイムで観れなかったので対局申込できませんでしたが、幽玄の間を使って視聴者とオンライン対局をする番組の流れも面白いです。
それは以前ニコ生で放送されていた『ニコスト』という番組と同じですが、こちらの番組は二年ほど前の放送が最後になってしまっているので、今後もこういう視聴者と繋がりがあるような番組が放送されると嬉しいものですね。
ちなみに、『女流棋士フォトブック』に登場されている棋士だと、上野愛咲美女流棋聖と金子真季二段には『ニコスト』に登場された時には打っていただけて、とても嬉しかったです。
あくまでも『女流棋士フォトブック』の関連番組なのでそう何度も放送されることは無いであろうとは思いますが、こういう取り組みに伴いこういう番組が増えてくれたらいいなぁと個人的には思います。
女流棋士フォトブックのグッズ
女流棋士Tシャツ
金子真季二段が描いた『女流棋士フォトブック』の登場棋士のイラストがプリントされた『女流棋士Tシャツ』。イラストのお仕事もできるんじゃないかってくらい可愛らしくて、その意外性も面白かったので購入させていただきました。寝巻がわりにさせていただいています。(笑)
まあ、こういうグッズ展開自体はそう珍しいことでもないとは思いますが、面白いのはYoutubeチャンネルで公開されている手作り感の溢れるCMでしょうか。
あえてなのか素なのか、わざとらしさの拭えない素人っぽさのあるCMではありますけど、だからこそ「何かコレ買ってみようかな」という気にさせられてしまいました。
女流棋士マグカップ
『女流棋士Tシャツ』と同じイラストがプリントされた『女流棋士マグカップ』も販売されています。
僕は写真のようにスティックシュガー入れに使っていますが、もちろん普通にマグカップとしても使えます。なんかもったいないのでスティックシュガー入れに収まりましたけど。(笑)
また、こちらの『女流棋士マグカップ』も女流棋士たちによるCMが公開されています。
総括
いかがでしたでしょうか?
こういう囲碁とは少し離れたところで行われる取り組みも面白いですね。
この『女流棋士フォトブック』は女流棋士の有志たちにより独力で作成されたもので完成に至るまではとても大変だったようですが、間違いなく今まで囲碁に興味の無かった人の中にも興味を持った人がいるのではないでしょうか?