魔法陣グルグル。懐かしの漫画、書評シリーズ【その1】11巻
オッポレオッポレな第11巻です!(前巻の書評はこちら)
魔法陣グルグルといえば、横向きの表紙が印象的でした。今でも珍しいですが、当時は横向きの表紙といえば魔法陣グルグルの特徴の一つでした。
しかし、11巻からは普通の縦向きの表紙になっています。
内容的にも10巻までが一つの区切りになっているように感じられるので、その区切りが表紙にも表れてるのかな~と勝手に意味深に捉えています。
アラハビカ・パンフォス編は魔法陣グルグルの中でもかなり独特なエピソードでしたが、11巻では再び魔法陣グルグルらしいエピソードに戻っています。
かなり滅茶苦茶な感じがするものの、だからこそゲソックの森の話が大好きです。
砂漠スタイルのククリが可愛いですよ~
?
本作の概要
闇魔法結社があるのだから、そりゃあそれの光魔法版もあるというもの。
旅の途中に出会った吟遊詩人風の光の者・シュナーベルとともに光魔法結社に向かうことになったニケたち。
そこではニケの修行が行われることになりますが、自分でグルグルを創作することができるようになったククリがおかしなグルグルで事件を起こしてしまったことで、早々に逃げるように光魔法結社から立ち去ることになってしまいました。
そして迷い込んだエルエル砂漠では、地の王を巡ったゲソックの森での冒険が待っています。
地の王に認められたニケは地の剣を手に入れ、主人公としての風格も増してきましたね。
本作の見所
シュナーベル
変なオヤジばかり登場する魔法陣グルグルにあっては非常に珍しいイケメンキャラです。
ただのイケメンではありません。
変なイケメンです。実は変なオヤジ枠のキャラクターなのでしょうか?
レイドとはまた違った方向性にポエミーな性格で、意外とちゃっかりとした所もある愛嬌のあるキャラクターで、僕は結構好きです。
「僕の敵ではないな。あとをたのむよ」
「しまった!「ヤマ場」の匂いがする!!」
魔物との戦闘が始まったら調子よく逃げ出して、クライマックスになったら戻ってくる。やってることは最低なのに何故か憎めない感じがしますね。
しかし、このポエミーな性格にニケたちは振り回されるのですが、一切動じない人も一人。
元祖変なオヤジであるキタキタおやじ。
「ひとつも素敵なことはありませんな!!」
ニケのようなツッコミは無視できるシュナーベルも、キタキタおやじのキッパリとしたツッコミ・・というよりあからさまな拒絶には敵わなかったようです。(笑)
じいさん大活躍
今までは各地に残されたグルグルを覚えることで、ククリは新しい魔法を使えるようになってきました。
しかし、これからはククリ自身がグルグルを作り上げていくことになります。
「この白い絵本はククリ様!あなた自身が、これから作る教典なのです」
4巻で登場した具象気体の言葉は、つまりはこういうことだったのですね。
そして、そんなククリの第一歩が・・
じいさん大活躍
シュナーベルのおじいさんが「ポレポレ~!!」と叫びながら大活躍する魔法です。
そして、どうやら黒い絵本はククリが作った魔法陣が自動的に描き込まれる仕様の教典だったようで、記念すべき1ページ目は「じいさん大活躍」という何だか可愛くない魔法で埋まってしまい、しかも無かったことにもできないようになってしまいました。(笑)
ベル売りの少女・クルジェ
僕が魔法陣グルグルの中で一番好きなキャラクターはジュジュですが、二番目に好きなのが実はこのクルジェです。
何というか、ニケたちに協力はしてくれるけどお金に強かな部分とかが良いですよね。
あと、純粋にキャラデザが可愛い。
それだけに出番が少なくて悲しいです・・
ファッショナブルククリ
今巻のククリはいつもよりオシャレです。
光魔法結社での女勇者ククリ。(あんた闇の者や!)
砂漠ルック。(ワイルドな感じも可愛い!)
そして水浴びシーンのククリ。(・・って、そりゃファッションじゃないですね)
最後は冗談にしても、個人的には砂漠ルックのククリが魔法陣グルグル全体を通しても一番好きかもしれません。
どちらかといえば可愛い路線の服装ばかりしているククリの珍しいワイルドな感じの服装です。いや、服装はワイルドですがククリはククリ、どうしても可愛くなってしまいますね。
ゲソックの森の冒険
まさにゲームといった感じの冒険です。
地の精霊に貰ったチケットはまさに昔懐かしのROMカセット型ゲームのカセットですし、これまた昔懐かしの横スクロールアクションゲームの世界観のような冒険。
純粋なギャグ漫画ならともかく、ストーリー漫画でこんな遊びを入れた冒険が描かれていても違和感が無いのは魔法陣グルグルくらいのものだと思います。
実際、ゲソックの森は地の王の遊びだったのですが、短かったけど魔法陣グルグルの良さが凝縮された冒険でした。
ゲソックの森の新シリーズが始まるごとに滅茶苦茶な内容になってくるのも、何だか昔のゲームに稀によくあるような現象で楽しかったです。
地の剣
今回の変なオヤジ枠はシュナーベルかと思いきや、ちゃんといました変なオヤジ。
「キタキタの親玉みたいだナ」
ニケが言うように、全身コシミノ(?)のような服はキタキタおやじを彷彿とさせます。しかし、コシミノより露出度は低いのに、より変態チックに見えるのは僕だけでしょうか?
ともあれ、ククリの魔法陣・ブレイクビーが奏でる太鼓の音で力を得た地の王によって、ニケに地の剣が与えられます。
地の力を使うため有線になっているという弱点があるものの、地上のもので斬れないものはない恐ろしい剣の力で、世界最強の石でできたゴーレムをあっさりと斬り裂くニケが格好良かったですね。
逃げるレイドたちを追いかけようとしたら、地面と繋がっている剣が障害となって追いかけることができません。
せっかく格好良かったのに「つながれた犬」のようになってしまったニケ。
最後に落ちを付けてくる所もさすがですね。
総括
いかがでしたでしょうか?
アラハビカ・パンフォス編の後、まさか土の剣を手に入れるエピソードが入ってくるとは思っていませんでした。
というか、キラキラと4人の自然界の王の設定は少し忘れかけていました。(笑)
アラハビカ・パンフォス編が完全にククリのためのエピソードで、長く続きましたからね~
そういえば魔法陣グルグルのレビュー記事を書いていて気付いたのですが、魔法陣グルグルって巻ごとの区切り方が意外と上手で、1冊か2冊で大きなエピソード一つを完結させていっているような気がします。
だから良い所で続きが気になるといったことがありません。
気になる続きを想像するワクワク感があまり無い代わりに、毎巻新鮮な気持ちで最新刊を読めていたような覚えがあります。
今巻もそうで、次巻でどのような冒険が待っているのか想像できません。
いやはや楽しみなものですね~(次巻の書評はこちら)