食戟のソーマ。新生"遠月学園"が始まる31巻の感想
長かった遠月十傑VS反逆者連合の連隊食戟もクライマックスを迎え、創真は第一席に、えりなは遠月学園の総帥になりました。
早々と新展開に突入するのは先が気になるファンとしては嬉しいですが、連隊食戟の後日談も少々きになりますね。
創真達が負けたら薊の下につくと言っていた城一郎が、勝利したとはいえ出てこないのは気になりましたし、竜胆先輩のらしくない様子が一体何だったのかの答えも出ていません。
まあ僕の場合、漫画はもっと気軽に楽しむものだし、全ての伏線は回収されるべきとも思っていないので(むしろ多少残っているくらいの方が良い)、細かいことは気にせず新展開を楽しむことにしました。
?
本作の概要
連隊食戟から4か月。
無事2年生に進級した創真達の新しい物語が始まります。
「真夜中の料理人」編。
第一席になった創真と第十席になった田所恵の温泉街でのミッションは、その序章といった所でしょうか。
田所恵の活躍著しい31巻でした。
本作の見所
現在の遠月学園
創真は考え方は今まで通り変わりません。
しかし、創真が第一席になったことでその考え方は他の生徒にも浸透します。
「食戟を挑まれたのに断っては遠月生の名折れ」
「誰もが自由に誰かへと挑戦していく世界」
少なくとも薊政権配下には無かった自由で活発な遠月学園になっています。
田所恵の活躍
本作品の中で僕が最も好きなキャラクター。
今巻ではその田所恵が大活躍します。
初登場時には退学すれすれだった恵が、今巻では新十傑となり大活躍します。
十傑になった恵はたくさんの国を回って、あらゆる地域の人々と出会って、その空気や生活を肌で感じ、それぞれの場所が育んだ「故郷の味」を学んだそうです。
その経験を活かし、最初の「真夜中の料理人」を撃退します。
「この勝負・・・もし私が勝てなかったら」
セリフだけ見るとかつての恵と変わっていないように見えます。
しかし、そもそも「真夜中の料理人」との勝負は恵から挑んだものであり、その態度には自信が現れています。
弱いキャラが成長した姿っていうのは本当に熱いものがありますね。
恐らく恵は本作品の中で最も成長率の高いキャラクターです。
そんな成長した田所恵の魅力が今巻の最大の見所だと思います。
新十傑について
まあ、ジャンプ漫画ですし、何だかんだ連隊食戟には勝利して創真達が新十傑になることは予想の範囲内でした。
- 第一席:幸平創真
- 第二席:一色慧
- 第三席:久我照紀
- 第四席:葉山アキラ
- 第五席:黒木場リョウ
- 第六席:薙切アリス
- 第七席:タクミ・アルディーニ
- 第八席:叡山枝津也
- 第九席:紀ノ国寧々
- 第十席:田所恵
とはいえ、えりなが第一席だと思っていたので、席次についてはかなり大きく予想を外されてしまいました。
しかしこの席次を見て、えりなが新十傑ではなく総帥になった理由を少しだけ悟りました。
えりなが第一席だと、連隊食戟編でしっかりと活躍していた田所恵が、十傑の席に入ることができないからだったのかな~と。
それにしても、叡山先輩が創真達と一緒にちゃんと十傑の仕事しているのは新鮮ですね。
まあ、これから新しい敵が出てくるって時に十傑内でギスギスさせすぎても良くないということなのでしょうね。
才波城一郎の敗北
今まで本作中で絶対強者的な扱いだった才波城一郎の突然の敗北。
最初、「サイバ」は才波城一郎のことで、また何かおかしな考えがあって「真夜中の料理人」の黒幕っぽい立ち位置にいるのかと推測していましたが、全く外れていましたね。
「才波朝陽だ。いい名前だろう?」
はい。いい名前だと思います。
しかし、何だか悪そうな奴が登場しましたね。
何だかんだで料理漫画ですし、今まで本当の意味での悪人って出てきたことが無いと思いますが、こいつは何だか悪人臭がします。
悪人じゃなかったらスマン。
だけどあんな覆面して悪人風の立ち居振る舞いしてるんだから仕方ないです。
「そいつはな。俺の━━もう一人の息子なんだわ」
まあ、流石に何かの暗喩なんでしょうけど、あまり動じない性格の創真が少々動揺していました。
ともあれ、才波城一郎に勝った才波朝陽。
彼が何者で、どんな料理を作って、創真達とどのように絡んでいくのか、今後が楽しみです。
登場人物のイメチェン
今巻では一部のキャラクターがイメチェンしています。
髪を伸ばした薙切アリス。
逆に髪を切った榊涼子。
薙切えりなは何かシャープな感じになっています。
ちなみに、髪型が変わったのか絵柄が変わったのか判別できませんが、個人的には新戸緋沙子がめちゃくちゃ可愛くなったのではないかと思っています。
言動も相まって以前より少し幼く感じるような気もしますが、丸みを帯びたボブカットがとても似合っています。
また、イメチェンとは関係ないですが、えりなと緋沙子の絡みも見所です。
総括
以上、「連隊食戟」編の後日譚で始まり、「真夜中の料理人」編の序章で終わる節目の31巻でした。
才波朝陽というラスボス感のある強敵が現れ、本作品全体としてのクライマックスも近付いているような気がします。
今巻では田所恵に良い所を持っていかれた創真の今後の活躍にも期待ですね。