あるいは 迷った 困った

漫画、ラノベ、映画、アニメ、囲碁など、好きなものを紹介する雑記ブログです。

ルルーシュは二度復活する!?『復活のルルーシュ』の感想(ネタバレ注意)

f:id:Aruiha:20190209182950j:plain

 

いよいよコードギアス 復活のルルーシュが公開されました!

コードギアス 反逆のルルーシュ R2が綺麗に完結して10年。

しかし、物議が醸されることとなったルルーシュの生死の謎

その答えがついに明かされることになります。

そりゃあもう楽しみで楽しみで!

公開日が待ちきれませんでした。

果たしてどんな内容だったのか。それをこれから語っていきますが、ネタバレが盛大に含まれているので「これから観に行くぜ~!」って人はご注意ください。

ちなみに、一週目の来場者特典としてこんなん貰いました。

アニメ映画の定番得点になりつつあるミニ色紙。CLAMP先生の描き下ろしイラストで、美男子2人がとっても凛々しく描かれていますが、よくよく考えると左側にいる人が既にネタバレになっているのかもしれません。

というか、そういえば僕のようなファンが勝手に穿った見方をしていただけで、タイトルからして素直に捉えればルルーシュがどうなるのかについて言及されていますしね。

f:id:Aruiha:20190209184308j:plain

 

?

あらすじ

ルルーシュの死後、再構築された世界は平和そのものでした。

そんな時、難民キャンプを訪れていたスザクとナナリーをテロが襲います。

このテロはジルクスタン王国によるものでしたが、その目的はナナリーの誘拐。

ルルーシュの作った平和を壊されたことに憤るスザクが式典のナイトメアでテロを退けようとしますが、ジルクスタン王国の王子であるシャリオは「姉さんの予言通りだ」とスザクの思考を先読みするような動きを見せ、結果的にスザクは敗北してしまいます。

スザクとナナリーが捕らわれの身になってしまったわけですね。

一方その頃、C.C.はある目的でジルクスタン王国に来ていました。

そして、その傍らには・・

ルルーシュらしき、しかし少々様子がおかしい青年がいます。

ルルーシュの復活と、ナナリーの奪還を巡る物語が始まります。

本作品の見所

ルルーシュは二度復活する!?

ルルーシュの生存そのものはOP前に明らかになります。

まあ、さすがに『復活のルルーシュ』と銘打っているのでルルーシュは復活するのだろうとは思っていましたが、こんないきなり登場するとは予想外でした。

しかし、このルルーシュの様子がどこかおかしい。

虚ろな表情と何かに怯えるような挙動、甲斐甲斐しく世話を焼いているC.C.が尊いですが、明らかに以前のルルーシュとは別人です。

率直な感想としては「おお、やっぱり復活したんだ・・復活・・、これって復活って言えるの!?」という感じ。

後に刑務所である嘆きの峡谷に潜入する際、咲世子に薬物中毒扱いされてしまうほどの哀しい状態のルルーシュ

どうやら、ここでルルーシュが生きているのはルルーシュ自身の計略でも何でもなく、ルルーシュ自身はゼロレクイエム時に本当に死ぬつもりだったところを、C.C.が「約束がまだ残っている」との我儘で、Cの世界で体を再構築することで助けたようです。

しかし、それはルルーシュの抜け殻というか、虚ろのような存在でした。

そんなルルーシュに再会したカレンは、「これがルルーシュの望んだことなのか」とC.C.に対して激高しますが、それでも虚ろなルルーシュとの再会が嬉しいようで号泣していました。

そして、嘆きの峡谷にあるCの世界に繋がる扉からルルーシュの心を取り戻すべく、C.C.とルルーシュの2人はCの世界へと向かいます。

Cの世界はシャルルの意思が残って時間の止まった状態になっていて、C.C.はルルーシュとはぐれてしまい自分だけCの世界から出ることになってしまいます。

そこには捉えられてしまったカレンと咲世子とロイドがいて、一気に大ピンチになってしまいます。(嘆きの峡谷にいる囚人が全て敵兵だったという罠だったみたいですね)

死なないとはいえ何度も銃で撃たれ、「ここまでだな・・」とC.C.は諦めかけますが・・

「違うな。間違っているぞ!」

聞き覚えのある声とセリフでC.C.の諦めを否定する声があがります。

そう、今度こそ完全に復活したルルーシュですね!

虚ろな状態で一度は中途半端に復活したルルーシュでしたが、自力でCの世界から戻ってきて二度目の復活を果たしたルルーシュは、まさに以前のルルーシュという感じでした。

ルルーシュのギアス。絶対順守の力で相手に「死ね」と命じるシーンは、思い出深いアニメ第1話を彷彿とさせるものでした。間違いなく名シーンですね。

ルルーシュの変わらない行動原理

復活したルルーシュはスザクを救出し、まあ予想通り荒っぽい再会を果たしますが、嘆きの峡谷からの脱出時には以前の戦略家らしい一面をのぞかせます。

復活したとはいえ、悪逆な皇帝として死んだことになっているルルーシュはいつまでもカレンたちと同行することはできませんが、今はナナリーが誘拐されているという一大事。

一時的にですがゼロに戻り、ナナリーの奪還に努めることになったルルーシュですが、何をするにもその行動の目的にはナナリーがいるところが、一番ルルーシュらしいと言えばルルーシュらしいところだと思います。

ルルーシュの変わったところ

一方で、以前は目的のためなら手段を択ばない独裁者的な性質もあったルルーシュですが、そこのところに関しては若干の変化があるようです。

圧倒的な兵力差でジルクスタン王国に捕らわれているナナリーを救い出すべく、派遣されたコーネリアに協力を要請します。

かつてルルーシュのせいで妹のユーフェミアを亡くしている恨みもあるのでしょう。すぐにはルルーシュを信用することができずに、というか殺そうとするコーネリア。

しかし、ここでのルルーシュの行動が以前のルルーシュとはちょっと違っています。

以前のルルーシュなら、協力ではなくコーネリアを利用するくらいの奸計を張り巡らせていたような気がします。

ゼロの仮面も外したりはしなかったでしょうね。

それがゼロの仮面を取って、コーネリアの義弟のルルーシュとして真摯に頭を下げたルルーシュは、やはり以前とは少し変わっているのかもしれません。

というかスザクにもそう指摘されていましたしね。

そんなわけで、コーネリアの協力を得られることになったのはなかなかに熱い展開ですよね。

それに扇のルルーシュのことは知らないがゼロは知っている!」と言ってルルーシュのことを信用しようとする行動も何だか感慨深く感じました。

ルルーシュもですが、ジルクスタン王国との決戦前夜の各キャラクターの言動はなかなか興味深くて、これから観る人には注目してほしいポイントのひとつに上げたいです。

シャムナのギアス

ナナリー奪還のためにジルクスタン王国に攻撃をしかけるルルーシュたち。

最初は、さすがはルルーシュという感じの戦略であっという間にシャナムの目前まで迫るルルーシュでしたが・・

ここでシャナムの予言のギアスの正体が明らかになります。

なぜかナナリーのいる水槽(?)を沸騰させルルーシュを激高させることで自分を攻撃させるシャナム。

実は、シャナムのギアスは死ぬことで発動するタイムリープの能力だったようです。

6時間過去に戻ったシャナムは、既にルルーシュが攻め込んでくることが分かっているので急ごしらえとは言え対策を行い、そうとは知らないルルーシュの戦略を圧倒します。

これはハッキリ言って、ルルーシュにとって能力の相性がかなり悪いですよね。

戦略で先読みするルルーシュと、未来から戻ってきてルルーシュたちの行動を知っているシャナムとでは、どう考えてもシャナムの方が上位互換だと思います。

そして、それを一番わかっているのはルルーシュで、一体どうすれば良いんだとルルーシュは悩み苦しむことになります。

そんなルルーシュに「諦めるな」「考えろ」と叱咤するのはC.C.。無責任とも思えるC.C.の叱咤に苛立ちを見せるルルーシュでしたが・・

「私は諦めなかった!」

虚ろな状態のルルーシュを連れ回し、ルルーシュの心を取り戻すことを諦めなかった自分自身を引き合いに出し、銃口を突きつけながら涙を流すC.C.。

自分が取り戻したかったルルーシュは、こんな簡単に諦めるような奴ではなく、もっと我儘でガキっぽくて諦めが悪い奴だったと珍しく感情的になるC.C.が、ルルーシュ銃口を突き付けているというかなり危ない状況であるにも関わらず尊く見えました。

とはいえ、そもそもルルーシュを復活させたこと自体がC.C.の我儘であり、難解な状況の打開をルルーシュひとりに押し付けてしまうのも身勝手だと自覚していたのか、思い直したように、しかしちょっと残念そうな様子でルルーシュにひとりで逃げるように促すC.C.でしたが・・

そんなC.C.の想いをぶつけられたルルーシュはやる気を取り戻します。

そもそも、実はこの段階ではギアスを使っているのが誰なのかすらわかっていないルルーシュでしたが、相手のギアスの正体の仮説を立てて、多種多様な戦略を順番にぶつけながら絞り込んでいくという気の遠くなるような作業を実行して、少しずつ答えに近付いていくルルーシュ

それでもルルーシュの戦略の方が先に尽きてしまい最後はハッタリに頼ることになりました。

非常に頭の良い戦略家でありながら、苦境では泥臭い部分も見せるのはルルーシュの魅力の一つでしたよね。

「俺と同じギアスを使う奴がいるとはな」

これがルルーシュの仕掛けたハッタリ。もちろんシャナムのギアスとルルーシュのギアスは別物なのですが、それを知らないシャナムからすると、現に自分の目の前まで迫ったルルーシュが自分と同じ能力を持っていてもおかしくないと思ってしまうような状況でした。

そして最後、このハッタリが功を奏してルルーシュの勝利となるのですが、それが確定した瞬間の「やった!」というルルーシュの子供っぽい笑顔がメッチャ印象的でした。

自分の戦略が上手くいった時、当然のような顔をしているか、失敗だと思ってイライラしているかのどちらかが多いルルーシュが、こう素直な反応をするのは珍しいような気がしましたが、それでいて違和感があったかというと、そういうわけでもありませんでした。

たぶん、ちょっとだけ変化したルルーシュのキャラクター性には合っていたからだと思います。

ナナリーと再会

今回のストーリーの最大のキーとなるキャラクターでありながら出番の少なかったナナリーですが、シャナムとの決着後に救い出すことに成功したものの目を覚ましません。

そんなナナリーを救うため、Cの世界に向かうルルーシュでしたが、まさかナナリーだけ救い出してルルーシュの精神はCの世界に残されるみたいな展開になったりしないだろうかと少々心配になりました。

というのも、不安定なCの世界から取り戻したルルーシュの心が、今大丈夫でも明日どうなるかわからないというようなことを、C.C.もルルーシュも言っていたからです。

なかなか目を醒まさないルルーシュとナナリーにヤキモキしましたが、なんとか2人とも目を醒ましました。(ホッと一安心!)

コードギアス 反逆のルルーシュ R2の終盤では、すれ違ったままルルーシュと死別することになったナナリー。

ルルーシュとナナリーの仲の良い兄妹としての久しぶりの再会が果たされました。

そういうわけで、ルルーシュに自分といることを提案するナナリー。ルルーシュの罪は自分の罪でもあるから一緒に背負うのだとナナリーは言います。

なんとも壮大な兄妹の仲直りでしたが、既にルルーシュは死んだことになっている人間です。

ナナリーに礼を言いつつも、ナナリーはもう一人でやっていけると一緒にいることは拒んだようです。

ルルーシュと別れた後のナナリーの涙が、本当にもの哀しかったですね。

メインヒロインはC.C.かな?

散々ルルーシュがちょっと変わったと書きましたが、C.C.も以前より人間臭くなったかなぁと思っています。

というか、多くの懐かしいキャラクターが活躍する本作品において、間違いなくメインヒロインでしたね。

虚ろなルルーシュに甲斐甲斐しくしている所は非常に尊かったですし、ジルクスタン王国との決戦時にルルーシュにぶつけた感情は前述した通り。

それに、他のキャラクターとのやり取りも以前より人間臭さが感じられます。

シャーリーと電話で連絡を取り合っていたりしているのも地味にツボでした。(笑)

あと、本作品でのC.C.は非常にファッショナブルで、素朴で可愛らしい感じの格好をしばしばしていたのもポイントが高いです。

最後には、みんなに黙って一人で旅立とうとするのですが・・

ルルーシュが自分もついて行くとそれを呼び止めます。

ナナリーはどうするのだとか、世話係は他をあたれとか、そもそも死んだはずの人間なのに名前はどうするのだとか、ルルーシュが付いてくるのを拒もうとするC.C.。

そして、本作品一番の名シーン。

「それなら名前はルルーシュランペルージから取ってL.L.(エルツー)でどうだ?」

それを聞いた後のC.C.の表情の変化が素晴らしい!

もしかしたら十秒以上かけて、ポカンとした表情から、涙を堪える表情に変化し、涙混じりの笑顔へと変わっていく。

この時C.C.が何を考えていたのかは定かではありませんが、言葉では表現できないような複雑な思いがあったことだけは読み取れる素晴らしい表情でした。

というか、正直このC.C.の表情を見たいがためだけにもう一度コードギアス 復活のルルーシュを観に行くまであります。

「俺たちは共犯者。 お前が魔女なら、俺が魔王になればいいだけだ」

かつて、ルルーシュはこのようなことを言っていましたが、まさにそれが体現されていくことを予感されますね。

エンドロール

エンドロールだからと言って気を抜かないですください。

アニメ版でも柔らかいタッチの静止画が何枚も流れるようなエンディングがありましたが、本作品のエンドロールでも今回の物語のその後が描かれた静止画が何枚も流れてきます。

どんなことがあってこの静止画のシーンに繋がるんだろうとか、想像力がはかどる内容になっているので、まだ観てない人はエンドロールにも注目してみてください!

総括

いかがでしたでしょうか?

多くの人が楽しみにしていたのか、初日のチケットはかなりの早くから完売していたっぽいですが、何とか観に行くことができました。

どのキャラクターにも偏りなく見せ場があって、非常にバランスの良い名作アニメ映画だったと思います。

しかも、エンドロール後のエピローグでは、何やら今後に繋がりそうなシーン(魔女っぽいC.C.と魔王っぽいL.L.)が描かれていて、「もしかして今後もコードギアスの作品が作られるのか!?」って期待を煽られる感じになっています。

だけど今回の映画がどれだけ成功するかにもよるかもしれないので、まだ観てない人はジャンジャン観に行きましょうぜ!

僕もあと1回くらいは観に行きます!

だって、最後のC.C.の表情が素晴らしすぎるから!

ただし、ちょっとだけ注意してほしいのが全くコードギアスを知らない人でも楽しめるかといえばそうではありません。

アニメ版や劇場版3部作をどちらも観ていない人だとついて行けないはずなので、興味がある人は最低限そこは予習しておきましょう。