あるいは 迷った 困った

漫画、ラノベ、映画、アニメ、囲碁など、好きなものを紹介する雑記ブログです。

『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』ユア・ストーリーの意味がエモい劇場版の感想(ネタバレ注意)

f:id:Aruiha:20190804073110p:plain

dq-movie.com

 

とりあえずまず最初にこの映画を一言を表したら、絶対的に賛否が分かれる映画だと思いました。

特に原作ゲームが好きな人であればあるほど、観たかったのはコレじゃない感を抱いて、少なからずモヤモヤが残る結果になったのではないでしょうか?

「なるほど『ユア・ストーリー』ってこういう意味か」というエモい驚きがあった半面、別にそんな驚きは要らなかったのではないかとも思ったんですよね。

・・なんてことを最初に書くと、なんだこの映画はツマラナイのかと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

そもそも僕は総合的に見てプラス評価の作品しかレビューしたことがありませんし、批判しかない作品のレビューを書こうとも思いませんし、書けません。

ただ、多くの人がマイナスに感じそうなところもあるということだけは最初に断った上で、それでも面白いところのある映画なのだよとオススメしてみたかったわけです。

少なくとも、久しぶりに原作のドラクエ5をプレイしてみたいと思わされるくらいには僕にとっては面白かったです。

?

ドラゴンクエスト5とは?

多くの人にとっては説明不要でしょうがおさらいしておきましょう。

25年以上前の1992年に発売したスーパーファミコンから発売しているRPGで、『ドラゴンクエスト』のナンバリングタイトルの中でも同じ世界観の『天空シリーズ』と呼ばれている作品の2作品目となります。

2作品目ですが時代的には最終章ですね。

親子三代に渡る壮大な物語になっているのが魅力で、主人公が『勇者』ではなく『勇者の父親』であるところが、今風に言えばエモいと思います。

売上本数的にはドラクエナンバリングタイトルの中ではかなり低い方(といっても素晴らしい売上)ですが、ストーリーが非常に素晴らしいからかリメイク作品の売上は非常に高く、ジワジワと評価を増した作品という印象が強いです。

個人的には、『ドラクエ11』と並んでストーリー的にはトップの作品だと思っています。

キャラクターデザインについて

ドラクエシリーズといえば鳥山明先生のキャラクターデザインとは切っても切り離せないものだと思っていました。

しかし、今回の映画で鳥山明先生のキャラクターデザインを採用しなかったことに対しては公開前からかなりの物議を醸していましたね。

パパスあたりはかなり近かったですけど。(笑)

まあ、個人的にはこの映画のキャラクターデザインも別に嫌いではありませんでした。

ビアンカとか有村架純さんの演技も相まってメッチャ可愛かったと思います。

そうそう声優ではなく俳優・女優を起用することに対しても賛否が分かれるところですが、個人的には有村架純さんの演技はかなり良かったと思います。

考えてみれば『思い出のマーニー』で主演もしていますし、そもそも声優としての能力も高い女優さんなのでしょうね。

駆け足だけど意外とうまく纏まっていた

親子三代に渡るドラクエ5の物語を2時間足らずの映画にどこまでまとめ上げられるのかは観る前から気になっているところでしたが、かなり壮大な物語を意外とうまく纏められているのではないかと思いました。

 序盤に未来のリュカが子供のリュカに話しかけるシーンがありますが、このシーンを観た瞬間に割とちゃんと原作に則ったストーリーで描かれるんだろうと感じました。(ラストは違いましたけど)

それに、他のナンバリングタイトルにはないドラクエ5の最も特徴的なところとして結婚というイベントがありますが、その辺にかなりの尺が使われていることはまあ当然の結果でしょうか?

恐らくですが、こういうシーンがあるからこそドラクエ5がナンバリングタイトルの中でも映画にして映える可能性があったということなのだと思います。

ともあれ、ポイントポイントは押さえられていたと思うので、原作ゲームをプレイしたことが無い人でもドラクエ5の物語の全体像が掴めるようにはなっていたのではないでしょうか?

結婚相手は?

ビアンカかフローラか、ドラクエ5には結婚相手を選択するという大きなイベントが待っています。

原作ゲームではストーリーの流れ的に明らかにビアンカに愛着が出てくるはずで、恐らくビアンカ派の人の方が多いような気がします。

なので順当にこの劇場版でもビアンカが選ばれると思っていたら、主人公のリュカがビアンカの後押しでフローラにプロポーズしたシーンを観たときはどうなることかと思いました。

そして、デボラは登場しないようです。(笑)

まあ、リメイク版の追加要素としては面白かったし、僕もリメイク版では興味本位でビアンカではなくデボラを選んだりしてみたものですが、ストーリー的にビアンカが選択されるのが自然である以上は尺の問題もあるのにワザワザ登場させる必要は無かったということでしょうか。

ユア・ストーリーの意味は?

ドラクエ5はゲームです。

そして、僕は『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』のことをドラクエ5の世界観を映画にした作品だと思っていました。

しかし、それはそれで正解だとは思うのですが、一方で間違いでもありました。

繰り返しますがドラクエ5はゲームです。

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』という映画も、ある意味ではそこに忠実であったと言えるのです。

最初はスーパーファミコンで発売され、PS2任天堂DS、それにスマホアプリ等で何度もリメイクされた名作ゲームであるドラクエ5。

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』は、そんなリメイクの延長にある世界を描いた作品で、主人公のリュカはあくまでもゲームのプレイヤーの分身であるという設定になっているようですね。

だからタイトルのサブタイトルが『ユア・ストーリー』になっているということなのかと鑑賞後に理解しました。

ゲームであればプレイヤーの数だけ物語があるものだからこその『ユア・ストーリー』で、特にドラクエ5の場合は途中で大きな選択もありますし、これはこれで面白い発想だと思います。

ただし、リメイク要素としてのあのミルドラースというのは、まあ分からなくもありませんが、本家なら絶対にしない設定ですし本音を言えばちゃんとしたミルドラースが見たかったという気もします。

あれはれでエモい感じはあって面白かったんですけど、ドラクエでやってしまったあたりは流石に批判を免れないのではないかと思われます。

とはいえ、原作があまりにも有名なゲームだからこそそう感じるのであって、その辺に目をつむれば十分に面白い映画なのではないかと思います。