一人で映画を観に行くという至って普通のことについて考察。一体何が恥ずかしい?
皆さんは一人で映画館に行きますか?
また、一人で映画館に行くことをどう思いますか?
・・といった質問をされることに対して、どう思いますか?
いや、突然何を言い出すんだという感じかもしれませんが、これは僕が感じている純粋な疑問なんです。
特に自立している社会人の中には、仕事関係以外では一人でいることが多い人が増えてきている世の中。
そんな世の中にあって「一人で〇〇すること」についての論議が度々巻き起こります。
カラオケや焼肉あたりは定番中の定番ですよね。
どれくらい割合の人が経験しているだとか、男性の場合はどうだとか女性の場合はどうだとか、恐らく一人で何かをすることを変に思われたくない人たちが随所で議論しているのだと思います。
まあ、個人的には一人でやりたいことは一人でやれば良い。変に思う人には変だと思わせておけば良いという考え方なので、そこまで気にしたことはないのですが、気にする人の気持ちは分かります。
しかし、そんな議論が巻き起こる定番の中に「一人で映画を観に行くこと」が度々含まれていることが僕には理解できないのです。
なぜなら、僕は「一人で映画を観に行くこと」は至って普通のことだと思っているからです。
本記事では、「一人で映画を観に行くこと」についての僕の認識と、なぜ映画を観に行くことが「一人で〇〇すること」の議論の定番になっているのかについて考察してみたいと思います。
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そもそも「一人で〇〇すること」が何故議論される?
そもそも「一人で〇〇すること」について議論されるようなことって、どういう物事が対象になっていると思いますか?
- 一人でするのが不自然なこと。
- 明らかに複数人でした方が楽しいこと。
この2点のいずれかを満たすような物事が「一人で〇〇すること」の議論対象になるのだと僕は思います。
例えば、一人焼肉やバイキングなんかはパーティ的な要素が大なり小なりあるので、「一人でするのが不自然なこと」に当てはまります。
その不自然さが、一人でするのを躊躇させる要因になっているわけですね。
そして、「明らかに複数人でした方が楽しいこと」といえば、カラオケやボウリング、遊園地なんかのアミューズメント施設に遊びに行くことあたりが当てはまります。
明らかに複数人でした方が楽しいことを一人ですることには、「周囲から寂しい人間だと思われてしまうかも知れない」「だけど、そう思われたくない」という心理が働くものなのかもしれません。
個人的には、そう思う人には思わせておけば良いと思うし、そもそも周囲の人間はそんなに他人に興味はありません。
皆さんは、街中で見かけた赤の他人のことをどこまで気にしますか?
自分の知人ならともかく、よっぽどの変人を見かけたところでそこまで気にしないのではないでしょうか?
だから、ほとんど杞憂でしかない心理が壁になってやりたいことができないなんてもったいないと思ってしまうんですよね。
とはいえ、確かにそういう心理が障壁として存在していることは僕も認めるところです。
一人で映画を観に行くこと
さて、そんな感じで「一人で〇〇すること」が議論される対象を定義してみましたが、「一人で映画を観に行くこと」はこの定義に当てはまるのでしょうか?
まず、「一人でするのが不自然なこと」には明らかに当てはまらないと思います。
むしろ「複数人で映画を観るってどういうこと?」とか思ってしまいます。
なぜなら、少なくとも映画本編を観ている時、自分以外の人間と関わることは無いからです。
それどころか、本当に面白い映画を観た時には、その作品の中に入り込んでしまって自分自身の存在すら希薄になった錯覚を覚えるくらいで、それを複数人で楽しむという感覚が僕には理解できないのです。
というか、わからないフリをして言っていますが、そもそも本当の意味で複数人で映画を楽しんでいる人なんていないと思うのです。
たとえ誰かと一緒に隣の席で映画を観ていたとしても、そもそも映画を観ている時は一人になっているものだからです。
そういうわけで「明らかに複数人でした方が楽しいこと」にも当てはまりませんね。
そもそも、みんな自宅では一人ででも観ますよね?
まあ、そういうわけで「一人で映画を観に行くこと」自体は、「一人で〇〇すること」で議論対象になる物事の特徴を実は備えていないというのが僕の考えなのです。
それが最初の問いかけ。
僕が感じている純粋な疑問なのですよ。
なぜ1人映画が議論される?
しかし、僕ごときがいくら「一人で〇〇すること」が議論される対象の定義に「一人で映画を観に行くこと」は当てはまらないと主張したところで、「一人で映画を観に行くこと」を気にする人が多いことは認めざるを得ません。
そういう風に定着しているからと言ってしまえばそれだけのことなのかもしれませんが、何だか腑に落ちません。
そこで誰かと一緒に映画を観に行くことと比較して、一人で映画を観に行くことのメリットとデメリットを考えてみました。
一人で映画を観に行くことのメリット・デメリット
メリット
自分の観たい映画を観たい時に観られる
「何を観るのか」「いつ観るのか」など、楽しむ上での制約が意外と多いのが映画というものです。
例えば、誰かと一緒に映画を観に行こうとする場合、もしかしたらその相手は既に同じ映画を鑑賞済かもしれませんし、そもそも観たい映画が必ずしも一致しているとは限りません。
また、お互いの都合の合う上映時間帯の座席が空いているとは限らなかったりと、色々と面倒くさいですよね。
その点、1人なら観たい映画を観たい時に観に行くことが可能となります。
鑑賞後の余韻に浸りやすい
映画の鑑賞後、しばらく余韻に浸りたくなってしまうことは往々にしてあります。
それは一人だとしても誰かと一緒だったとしても同じですが、誰かと一緒だった場合には、例えば自分は映画がとても面白くて余韻に浸りたい、感想を共有したいと思っているのに、相手は映画をつまらなかったと感じていて既に気持ちが他のことに移っていたりと、余韻に浸りづらい状況になってしまうこともあります。
それに、自分はそうでもないと思っている所を相手が絶賛していたら、ついつい同調してしまったり、純粋に余韻に浸ることができないと思うのです。
誰かと一緒に映画を観に行きたい人は、いやいや鑑賞後に感想を共有できることがメリットなのだ。それが楽しいのだと言うかもしれません。
しかし、それは映画を観終わった後のおしゃべりが楽しいのであって、その楽しさ自体は僕も激しく同意しますが、余韻まで含めて映画そのものを純粋に楽しむためには雑音にしかならないと僕は思います。
デメリット
観づらいジャンルがある程度存在する
映画のジャンルは多種多様。
ターゲットとなる年齢や性別がある程度決まっている作品も多いですよね。
そのターゲットに当てはまる人が同席者にいない状況だと、さすがに観に行きづらいものだと思います。
僕も、例えば『ドラえもん』の映画など、明らかに子供向けの映画を一人で観に行く際には若干の抵抗があります。
まあ、観に行くんですけれど。(笑)
そういう意味では、一人で映画を観に行くことは観たい映画の選択肢を狭めることになってしまうのかもしれません。
総括
結論としては、やっぱり「一人で映画を観に行くこと」ってそんなに変なことじゃないということになります。
そもそも一人で楽しむことの方が自然な娯楽であるとすら言えます。
とはいえ、それは誰かと一緒に映画を観に行くことと、その楽しさを否定するものではありません。
僕も誰かと映画を観に行ったことが過去にはありますし、それはそれで楽しかったのは間違いありませんからね。
本記事が、一人で映画を観に行くことを躊躇している人にとって、それはそんなに変なことじゃないし、それで観たい映画を観れないのであれば損なのだと思えるキッカケになれば幸いに思います。