『名探偵ピカチュウ』コミカルで可愛らしいポケモンが魅力的な映画の感想(ネタバレ注意)
こんにちは!
長かった2019年のGWもあと少し。
みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
観光目的の観光も良いですけど、何か映画は観ましたか?
そもそもGWとは、もともとは映画宣伝用語だったもの。
実際、毎年この時期はかなり気合の入っている映画が数多く公開されていますし、やっぱり映画の1本や2本は観ておきたいものですね。
僕は以前より気になっていた『名探偵ピカチュウ』を観てきました。
公開のかなり前から気合入れて予告されていたので、映画の予告を観るたびに「また『名探偵ピカチュウ』の予告かよ・・」ってうんざりしていたところも実はあるのですが、それでも初代ポケモン世代としては観ないわけにはいきませんよね!
小学生の頃にどれだけ遊んだか分からないポケモン赤。
それが、ゲームは大人気シリーズとなり、数えきれないほどの派生作品が登場し、アニメは親子世代にまで愛される長寿アニメとなり、それがついにハリウッド映画にまでなったとあれば・・
観ないという選択肢はあり得ません。
予告映像だけを観ると、ポケモンの質感とかはさすがハリウッドという感じではありますけど、果たして内容はどうなのか?
期待と不安の両方がある映画ではありましたが、結果的には大満足でした。
ポケモンたちはコミカルだったし、ストーリーも思っていた以上に濃厚でありつつ、子供でも楽しみやすいライトさを当然のように兼ね備えている。
非常に完成度の高い映画だったと思います。
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本作の概要
幼少期に母を亡くし、ライムシティで探偵をしている父親ハリーとは離れて祖母の元でくらしているティムは、友人の少ない孤独なタイプの人間でした。
そんなティムの元に届いたハリーの訃報。
ティムは単身父親の住まいのあるライムシティを訪れました。
そこでティムは自分とだけ会話することができるピカチュウと出会います。
そのピカチュウはハリーの相棒を自称するものの記憶は失っているようです。
ハリーの死の真相とその背後にある陰謀。
そしてピカチュウの記憶の秘密を巡るミステリーとなります
本作の見所
アクションとミステリーとコメディの秀逸なバランス
本作品に限らずハリウッド作品って、シリアスなシーンにギャグを持ち込んだりするのが抜群にうまいですよね。
僕は日本のアニメ信者ですが、こういうところは素直にハリウッド映画ならではの魅力だと思います。
また、ゲームのバトルのような感じではありませんが、「あ~このポケモンってこんな感じで動くんだなぁ~」という自然な感じで繰り広げられるバトル。
いや、原作のゲームに慣れ親しんでいるからバトルって表現が出てきますけど、実際に観たらそういう感じではないんですよね。
無理やり原作を再現しようとせずに、うまく実写にポケモンを溶け込ませることに成功しているというか、そんな感じです。
また、謎解きミステリーというわけではありませんが、「こいつが悪者だと思っていたら、実はこっちだったのか」とか、意外性がありつつも子供でも理解しやすい感じの絶妙なバランスになっていたと思います。
コミカルなポケモンたち
ジャンル的に『名探偵ピカチュウ』はコメディではないと思います。
ですが、ポケモンが実写に溶け込んでいることが既にコメディなんですよね。
その証拠に、一番最初にカラカラが登場しただけで劇場から笑いが巻き起こっていました。(笑)
何というか、最初は自然に溶け込んでいること自体が違和感という不思議な感覚があったポケモンたちでしたが、原作ゲームを知っている人ほど「あ~このポケモンはこういう感じだよね~」って思える部分とか、「このポケモンにこういうことさせちゃうんだ~」とか、そういう所がツボにはまるんですよね。
結構人によってツボが違うみたいで、笑いが聴こえてくる方向がシーンによって違っているのがちょっと面白かったです。
ちなみに、個人的にはバリヤードが一番面白かった。
ティムとパントマイムでコミュニケーションを取るシーンとかは特に最高だったと思います。
バリヤードというポケモンの性質をそのまま実写化しているわけですが、考えてみればコイツが現実の世界にいたら確かにメッチャ面白いことになりそうですもんね。
まあ、個人的にはというより、そもそもこのシーンは笑いという点では恐らく一番ウケていたような気がしますけど。(笑)
あとはリザードンと戦っている時に10万ボルトを出そうとして出せないピカチュウも面白かったですね。
ポケモンの作り込み
面白さと技術力の高さは必ずしもイコールではないと思います。
「ずば抜けた技術力が駆使されていることは分かるけど、これって面白い?」って、そんな風に感じてしまうような映画だった少なくありません。
しかし、一方で近年では面白ければそれでOKともいかなくなってきているのではないかと思います。
映画を観る側の目も、高い技術力に慣れてきてしまっていますからね。
そして、『名探偵ピカチュウ』の場合はやっぱりポケモンが実写でどのように描かれるのかって所が、どうしても気になるところです。
予告映像が公開された頃から、その辺に注目していた人は多いのではないでしょうか?
そして、結論から言えば予告動画で観た驚きが最後まであったと思います。
ポケモンをリアルな3DCGで作るには、体のサイズは厳守しなければならない。各ポケモンのサイズは、それぞれに設定されている身長と体重に基づいて計算された。
※公式HPより抜粋
そのように公式HPの中でも語られていますが、その言葉に嘘は無かったと思います。
唯一嘘があったとしたら巨大化したドダイトスくらいですが、アレは特殊な事情がある個体でしたからね。(笑)
他にも「ポケモンをマンガっぽくすることだけはしたくなかった」と、どこかマンガっぽさがあるポケモンに対するアプローチとしてはかなり難しそうなことまで言及されていますが、人の住むライムシティの中に綺麗に溶け込んでいる姿を見たらそれも上手くいっていることが分かります。
今までゲームやアニメ、漫画作品で触れてきたポケモンが実写の世界に映し出されているのは、何とも言えない不思議な感覚でした。
ティムとピカチュウ
『名探偵ピカチュウ』はいわゆるバディものの作品になっています。
バディものといえば最初はそりが合わないけど、いつの間にかベストパートナーって感じになっているのが定番だと思いますが、『名探偵ピカチュウ』もその定番から外れていません。
もともと疎遠だった父親が亡くなったと聞いて気持ちの整理がついていないティムと、記憶を失った手掛かりを求めてティムの父親であるハリーの家にやってきたピカチュウ。
ピカチュウの方はティムがハリーの息子だと聞いてすぐにすり寄ってきますが、ティムの方はもともと気持ちの整理がついていないところに何故か自分とだけ会話できるピカチュウが現れて混乱の極致。
そんな状況の悪さも手伝ってなかなかピカチュウのことを受け入れようとしませんでした。
それが徐々に打ち解けていき最後にはベストパートナーって感じになっている。
良い相棒になるという決定的なシーンがあるわけではなく、徐々に自然にというところが良かったですね。
ルーシー役の女優さん可愛くない?
ヒロインのルーシーはハリーが事故死した事件に不信感を持って追いかける記者です。
僕はあまり女優さん、特に西洋系の女優さんに対して「この人が美人、可愛い!」なんて感想を持つタイプではないのですけど、ルーシー役のキャスリン・ニュートンはかなり可愛らしい感じの女優さんだと思いました。
2019年現在22歳とまだ若いですが、キャリアは長いようですね。
可愛らしいだけではなく、ちょっと変わり者っぽさもあるところがポケモンに登場する女性キャラクターらしくもあって良い感じだと思いました。
また、ルーシーはコダックを相棒にしているのですが、もしかしたらアニメ版の初代ヒロインのかすみの持ちポケモンを意識しているんでしょうか?
その辺の意図は定かではありませんが、ルーシーが登場した時に「この女の子がヒロインなのかなぁ~」と思った理由の一つにコダックを連れまわしていたからというのもあったと思います。(笑)
ただ、取って付けたようにコダックが相棒だったわけではなく、最後まで観たらこの2人(1人と1匹)も良いパートナーだったんだと分かることと思います。
ティムはルーシーの相棒のコダックの頭痛から発生するねんりきをずっと怖がっていましたが、最後はそれに助けられますしね。
個人的にはルーシーの車の後部座席でのピカチュウとコダックの絡みが面白いと思いました。
ファンには嬉しいエンディング
何て言うんでしょう。
ハリウッド映画のエンディングって何段階かに分かれて流れたりしますが、その最初のエンディングが良かった。
初代ポケモン(ゲーム)のオープニングの音楽に合わせて、今まで実写だったポケモン。そしてティムやルーシーといった人間のキャラクターまでがアニメ絵で描かれているんです。
それだけなら「ふ~ん」って感じでしょうけど、注目してほしいのは人間のキャラクター。
なんと近年のポケモンの人間キャラクター風のキャラデザで描かれているんですよね。
結構独特な人間キャラのキャラデザが魅力でもあるポケモンですが、まさか実写の俳優・女優さん方のイメージ通りでアニメ絵で描かれるとは思いませんでした。
そして、やっぱりルーシーが可愛いのです。(笑)
総括
いかがでしたでしょうか?
思っていた以上に素晴らしい映画であることが本記事で伝われば幸いに思います。
漫画・アニメ・ゲームといった日本の二次元文化のハリウッド映画化は、それだけで不安に思って観ようともしない人が一定数存在すると思いますが、そんな理由だけで観ないのはもったいない作品だと思います。
日本国内でもアニメや漫画など、ポケモンを主題としたフィクション作品は多数存在しますが、そのどれとも違った新しいポケモン作品が観られます。
また、本作品の原作は『名探偵ピカチュウ』と同タイトルのゲームとなります。
僕はプレイしたことはなく、だいぶ前にゲーム実況動画で見たことがあるくらいなのですが、一応この原作ゲームに準ずる内容になっているようですね。
本家ではなく派生作品がハリウッド映画化されるっていうのが、ポケモンの裾野の広さを示しているように感じます。