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劇場版『若おかみは小学生!』こりゃあ観ないと後悔する名作だわ

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日曜日の朝に放送しているTVアニメ『若おかみは小学生!』。

そんな『若おかみは小学生!』の劇場版が、どうやら観た人の評価がめちゃめちゃ高いらしく、各所でかなりの話題になっているようですね。

確かに、最近『若おかみは小学生!』のタイトルを目にする機会が多い気がします。

評判も良いし、是非とも映画館で観てみたい!

しかし、上映規模は小さく、公開している映画館も9/21の公開からまだ日が浅いにも関わらず、朝一番の1本しか上映していない所が多いです。

これは、ちんたらしていると映画館で観る機会を失ってしまいそうです。

というわけで、慌てて観てきました!

www.waka-okami.jp

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『若おかみと小学生!』とは?

映画のことに触れる前に、簡単に『若おかみと小学生!』がどんな作品なのかを紹介しておきたいと思います。

交通事故で両親を亡くした小学生6年生のおっこ(関織子)は、祖母の経営する旅館「春の屋」で暮らすことになります。

その「春の屋」に住み着くユーレイのウリ坊と出会うのですが・・

おっこの祖母である峰子を助けたいウリ坊の思惑もあり、おっこは「春の屋」で若おかみの修行を始めることになるという、そんなお話です。

2003年から2013年の10年間、講談社青い鳥文庫から全20冊発売されている児童文学が原作ということで非常に息の長い作品となりますが、僕は今年(2018年)のアニメ化で初めて本作を知りました。

まあ、「青い鳥文庫」は児童文学なので大人にはあまり馴染みがないですからね。

売り上げは300万部。ターゲット年齢の幅が狭く、そもそも大人より読書の習慣がある人口の少ない児童文学としてはかなりのヒット作なのではないでしょうか?

Amazoneのレビューを見ても、いずれの巻もかなりの高評価ですね。

率直な感想(ネタバレ無し)

本作に興味がある人には是非とも新鮮な気持ちでこの映画を観てほしいので、まずは映画の内容には触れずに率直な感想や、周囲の人の反応などをお伝えしたいと思います。

まず、アニメーション映画としてのクオリティーの高さやキャラクターの個性など、魅力的な部分は多々ありますが、何よりも「泣ける映画」としての完成度が異常に高いように感じました。

僕は年間20本近く映画館で映画を観ていますが、「泣ける映画」としては本作が 歴代トップだったかもしれません。(個人の感想です)

もともと涙腺が緩い方ではありますが、映画の上映中に涙が流れてしまうレベルで泣けたのは初めての経験でした。

周りに人がいる状況でそれは恥ずかしいので、普段は涙が溜まるくらいのことはあっても、それ以上は何とか耐えることができます。

しかし、『若おかみは小学生!』のラストでは耐えることができませんでした。

いやぁ~、映画の上映中に「メガネが邪魔!」って思ったのも初めてですよ。いや、涙が拭いづらくて、だけど外すと目立つし映画が見えなくなるしで大変でした。(笑)

周りの人達も似たような反応です。

上映中、鼻をすする声があちこちから聞こえてきました。また、上映後も感想を言い合って雑談している人の声が少し上ずっていたりと、小さい子供から大人まで、みんな相当に感動しているようでした。

5歳くらいの姉妹が「本当に感動したね~」と言い合っているのが印象的でした。小さい子供が「面白かった」と上映後に言っているのはよく見かけますが、「感動した」と言っているのは珍しい気がしたので。

ちなみに、本作に興味があっても子供向け映画を観に行きづらいと思っている人もいるかもしれませんが、『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』ほど子供だらけという感じでもなかったので、ちょっと勇気を出してみてはいかがでしょうか?

本当に、本当に良い映画なので!

本作の見所

若おかみは小学生!』は、ストーリーそのものに驚くような仕掛けがある作品ではありません。

子供向け作品なので「わかりやすさ」を重視しているのだと思いますが、今まで色々な作品に触れている大人にとっては少し物足りない部分があるかもしれません。

恐らく、淡々と起承転結まで本作のストーリーをなぞっただけなら、「確かに感動的な話ではあるけど、そこまで言うほどなの?」みたいな感想になるのではないでしょうか?

しかし、『若おかみは小学生!』はそのストーリーの魅せ方がとても上手い作品なのだと思います。

だからこそ映画に対して舌の肥えた大人であっても感動できる作品になっています。

ここから先はネタバレが含まれますのでご注意ください。

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おっこの祖母や両親の教え。

「花の湯温泉は何者も拒まない」

本作の最後に現れた客は、おっこ個人の事情としては到底受け入れることのできない客だったことでしょう。

その客もおっこの事情を知り、罪悪感から「春の屋」を去ろうとします。

しかし、祖母や両親の教えを胸に、おっこはそれを引き止めます。

「だけど、あんたは俺が死なせた夫婦の一人娘の織子ちゃんなんだろ?」

「いいえ、私はこの春の屋旅館の若おかみです」

個人の事情より、お客様をもてなすことを優先するおっこ最大の見せ場ですね。

元気で明るい性格だからこその行動なのでしょうか?

いやいや、元気で明るく振舞ってはいますが、おっこは両親を亡くしたことをずっと引きずっていて、交通事故のことはトラウマにもなっています。

本作中、何度も両親の幻を見て、両親が生きているのか死んでいるのかが曖昧になっていたり、グローリーさんの車に乗っている時にはトラウマが原因で過呼吸に陥っています。

だからこそ、両親の敵と言っても過言ではないような相手を客として受け入れるのには相当な覚悟が必要だったに違いありません。

ちなみに、この映画は最初から最後までおっこの「いいえ、私はこの春の屋旅館の若おかみです」というセリフを感動的なものにするために構成されていたのではないかという風に感じました。

悲劇のヒロインであるおっこですが、両親が事故死した後に悲しむような描写が実はほとんどなく、基本的には常に明るく元気な女の子です。

しかし、前述したように両親の幻を見るなど、実のところ正常な精神状態では無かったことがうかがえますね。

それが、直前に喧嘩をしていた真月に頭を下げてまでもてなしていた客が実は自分の両親の敵だと知り、今まで見せたことのないほどに取り乱して号泣し、逃げ出してしまいます。

明るく元気に振舞っている内側に隠れていた感情があふれ出してしまったということでしょうか?

そういったものを乗り越えて発せられたからこそ「いいえ、私はこの春の屋旅館の若おかみです」のセリフがより感動的なものになったのだと思います。

総括

いかがでしたでしょうか?

劇場版『若おかみは小学生!』の良かった部分は、どちらかと言えば感情的な部分なので、上手く伝えることができているのか自信が無いのですが・・

とにかく、子供向けアニメだからという理由だけで観ていない人がいたら、絶対にもったいないのでその考えは捨てましょう!

上映規模も小さいのでチャンスは今の内ですよ!

ちなみに、僕は日曜日朝のTVアニメ版をBGM代わり程度の視聴の仕方で見てはいたので、うっすらとどんな話かは知っていたのですが、この映画を観てもっと真面目に見とけば良かったなぁと少し後悔しました。

TVアニメ版も見返してみようかと思っています。