思わず口にしたくなる! とにかくセンスのあるタイトルの作品26選
思わず口にしたくなるような、センスの良いタイトルの作品ってありますよね?
心惹かれる素晴らしいタイトルの作品はそれだけで名作感が漂っているような気がします。
耳に残って一度聞いたら忘れないようなタイトルや、字面のインパクトが強かったりなど、センスが良いと感じる要素は様々です。
読み終わって初めてタイトルの意味がわかってセンスの良さを感じたりするような作品もありますね。
あまりにもセンスが良すぎて、そのタイトルそのものがネタのようになっているものもあります。
本記事では、そんな素晴らしいタイトルの作品をジャンル問わず紹介してみたいと思います!
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- 1.砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
- 2.銀河鉄道の夜
- 3.注文の多い料理店
- 4.追憶(The Way We Are)
- 5.ブギーポップは笑わない
- 6.コードギアス反逆のルルーシュ
- 7.ツァラトゥストラはかく語りき
- 8.半分の月がのぼる空
- 9.千と千尋の神隠し
- 10.ライ麦畑でつかまえて
- 11.あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない
- 12.汚れっちまった悲しみに
- 13.ショーシャンクの空に
- 14.たったひとつの冴えたやりかた
- 15.すべてがFになる
- 16.夢・出会い・魔性(You May Die in My Show)
- 17.狼と香辛料
- 18.アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
- 19.そして誰もいなくなった
- 20.夜は短し歩けよ乙女
- 21.最終兵器彼女
- 22.NHKにようこそ
- 23.時計じかけのオレンジ
- 24.イリヤの空、UFOの夏
- 25.人類は衰退しました
- 26.クビキリサイクル
1.砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
僕がセンスの良いタイトルと聞いて真っ先に思いつくのがこの作品。
『GOSICK』で有名な桜庭一樹先生が作者のライトノベルです。
単巻ながら『このライトノベルがすごい2006』で3位になるなど評価が高い作品となります。
可愛らしい文体や挿絵と裏腹に、実は非常に怖いと感じさせるサスペンス作品であり、実は個人的にはあまり好きなタイプの作品ではありません。
しかし、そのタイトルのインパクトもあって、読んでから15年近く経った今になっても記憶に残っている作品になっています。
恐らく、こんな素晴らしいタイトルでなければ忘れてしまっていたであろう作品なのですが、それでも読んだ時のことを覚えているなんて、ある作品におけるタイトルの重要性が相当高いことが伺えるわかりやすい例だと思います。
2.銀河鉄道の夜
あまりにも有名で、誰もが宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』という作品を知っている現代だからこそ、割と普通のタイトルだと感じる人もいるかもしれません。
しかし、誰もが知っていると言いましたが実際に読んだことがある人はどれだけいるのでしょうか?
なのに未読の人でも『銀河鉄道の夜』のタイトルを知らない人はほとんどいないでしょう。
それは、それだけ素晴らしい耳に残るタイトルだからなのだと思います。
学生時代、誰もが文学作品の作者名や代表作を勉強したことがあるはずですが、勉強が苦手な人でも『銀河鉄道の夜』は覚えることができたのではないでしょうか?
3.注文の多い料理店
また宮沢賢治の作品です。
宮沢賢治は独特の表現力でも有名ですが、タイトルのセンスも秀逸ですよね。
本記事では2作品を取り上げましたが、他にもセンスのあるタイトルの作品を書かれています。
タイトルのセンス的には『銀河鉄道の夜』の方がインパクトが強いですが、個人的に内容は『注文の多い料理店』の方が好きです。
徐々に読者を不安にしていき結末を察せさせるような構成が面白いですからね。
4.追憶(The Way We Are)
実はタイトルを知っているだけで粗筋すら知らない作品なのですが、中学生の頃に英語の授業でこの映画の邦題について先生が話題にしたことがあって、そのタイトルに興味を持ったことを覚えています。
『The Way We Are』を『追憶』と訳すのがメッチャ格好良いですね。
『私たちの辿ってきた道』だから『追憶』と、実はそのままの意味の訳ですが、もしこの映画のタイトルが『私たちの道』みたいなタイトルだったら、僕はこの映画の存在すら知らなかったことと思います。
『追憶』というタイトルだからこそ、見たことのない作品であるにも関わらず、その存在を認知していると言えます。
5.ブギーポップは笑わない
最近のライトノベルのタイトルは文章チックなものが流行ですが、昔はタイトルのセンスが現代とは随分と違っているような気がします。
ブギーポップ(不気味な泡)というキャラクター名も格好良いですが、それが『笑わない』と否定しているようなタイトルにセンスの良さを感じます。
『〇〇は〇〇しない』という否定で終わるタイトルは最近でもチラホラと見かけますが、『ブギーポップは笑わない』がこの否定系タイトルの走りなのではないでしょうか?
例えば『ブギーポップは無表情』とかでも意味はほとんど同じだと思いますが、『笑わない』とした方がより興味を惹かれるような気がするのが不思議です。
6.コードギアス反逆のルルーシュ
特にサブタイトルである『反逆のルルーシュ』の部分にセンスを感じますね。
普通なら『ルルーシュの反逆』となるところに倒置法を適用しているだけのシンプルさですが、それだけで何がどう反逆なのかが気になってしまいます。
本作品、実ほ僕があまり好きではないロボットものの要素があるのですが、タイトルで気になってファンになった経緯があります。
大学生の頃、レンタルビデオ店でのバイト時代に「何だコレは?」とタイトルに惹かれたのが本作品を最初に見ることになったキッカケでした。
センスのあるタイトルには、通常その作品に興味を持たなかったであろう層の人間をも惹きつける魅力があります。
7.ツァラトゥストラはかく語りき
もっとも有名な哲学書の一つですね。
日本人は横文字が苦手だと思いますが、何とも耳に残るタイトルで一度聞いたら忘れられません。
「神の死」「超人」「永劫回帰」といったニーチェの思想が記されていて、ぶっちゃけ僕にはよく分からない内容なのですが、極端で印象的な言葉が多く、よく分からないなりに面白いと思えるような本です。
8.半分の月がのぼる空
あえて満月ではなく半月。
それも『半月』ではなく『半分の月』と回りくどく言っている所にセンスを感じます。略称では『半月』と略されますけど。(笑)
普通であれば、短くわかりやすい方が好まれそうな気もしますが、この回りくどさが作品のゆったりとした雰囲気とも合っているような気がしますね。
実は、僕はかなり好きな作品でも気付けばタイトルを把握できていないようなことがあったりします。
かなり節操なく様々な作品に手を出すからなのですが、『半分の月がのぼる空』は15年近く前の作品なのに全くタイトルが頭から抜け落ちることなく覚えています。
9.千と千尋の神隠し
国内最高のヒット映画ですが、タイトルセンスもジブリ映画の中でもずば抜けていますね。
ああ、誰かが神隠しに合う話なんだと分かりやすさもありますが、タイトルの主語の部分も相まって一度聞いたら耳から離れないリズム感もあります。
こういう口に出した時に、何だかリズム感がしっくりくるタイトルはセンスが良いのだと思います。
実は本記事のタイトルを「思わず口にしたくなる」としたのは、そういった考えがあったからです。センスの良いタイトルには、好きな曲のサビを口ずさむ時のような楽しさがあると思うのです。
また、『千』と『千尋』は両方とも同じキャラクターを指した名詞ですが、それがまた面白い。
『千の神隠し』でも『千尋の神隠し』でもなく『千と千尋の神隠し』だからこそのセンスの良さだと思います。
10.ライ麦畑でつかまえて
青春小説の古典名作ですね。
タイトルだけずっと知っていて、確か25歳くらいの頃に一度だけ読もうと思ったけど、タイトルから受ける印象よりかなり鬱屈としていて、あまり肌に合わないと途中で読むのを止めてしまいました。
多くの人が、「読む時期(年齢)が大事」と言われているように、中高生の頃に読んでいたらもっと違った感想を得ることができたのかも知れません。
ともかく、自分的には微妙な感想となった作品ですが、それでも『ライ麦畑でつかまえて』のタイトルのセンスの良さは群を抜いていると思います。
11.あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない
ちょっと長い文章のようなタイトルですね。
僕は、センスの良いタイトルとは短すぎるものでも長すぎるものでも無いと思っているのですが、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』は例外だと思います。
好きな作品だからという贔屓目もあるかもしれませんが、作品の内容を知った上でこのタイトルを見ると、一体どのような思いがこのタイトルに込められているのだろうかと考えてしまうこと必死です。
また、『ブギーポップは笑わない』と同じく否定形で終わっているタイトルですが、否定形で終わっているタイトルには名タイトルが多いような気がしますね。
12.汚れっちまった悲しみに
学生時代に学校で習ったくらいで内容は全く知りません。
今回紹介している作品の中では、恐らく一番中身を分かっていない作品なのですが、しかしこれほど一度聞いたら忘れられないタイトルもなかなか無いでしょう。
詩のタイトルということもあって、リズム感の良さがずば抜けていると思います。
13.ショーシャンクの空に
『追憶』と同じく邦題への訳し方が素敵な作品ですね『The Shawshank Redemption』が原題で、直訳すると『ショーシャンクの償還』とか『ショーシャンクの救い』『ショーシャンクの贖い』になります。
ショーシャンクというのは刑務所の名前なので、日本的に言うと『網走の空に』みたいな感じになってしまいそこまで素敵な感じではありませんが、『ショーシャンク』という言葉の響きが何だか耳に残るんですよね。
ちなみに、僕が観たのは小学生の頃でなのですが、あまり子供向けの内容では無いにも関わらず結構面白いと思った記憶があります。かなりうろ覚えですけどね。
14.たったひとつの冴えたやりかた
実はまだ未読なのですが、いつか読んでみたいと積読しています。
というのも、子供の頃はSFは好きだったけど今はそうでもないので他を優先してしまうからなのですが、じゃあ何で積んどくしているのかって・・
そんなの、『たったひとつの冴えたやりかた』なんて素敵なタイトルに惹かれたからに決まっているではないですか。
「たったひとつの冴えたやりかたって何なの?」って、粗筋も何も知らない人でも気になってしまいますよね。
「思わず口にしたくなる」という要素で言うと、今回紹介している作品の中でも断トツじゃないでしょうか?
何か日常の会話の中でも使えてしまいそうな言葉ですからね。
もっとも、あまりにも有名すぎるタイトルなので引用元はスグにバレてしまうでしょうけど。(笑)
15.すべてがFになる
理系ミステリーらしいタイトル。
初めて読んだ時は中学生で、まだ10進数以外の数字を知らなかったのでタイトルの意味がよくわかっていなかったのですが、要は時限タイマのことを示しています。
『すべてがF』すなわち『FFFF』時間後にとあるプログラムが起動するように仕掛けていたタイマであり、つまりはタイマを10進数ではなく16進数で表現しただけの遊び心なのですが、たったそれだけのことで心惹かれるタイトルになっているのが凄いと思います。
例えば「オール9」とか言っているのと、ぶっちゃけ意味合い的には同じなのに受ける印象は全く違いますよね?
16.夢・出会い・魔性(You May Die in My Show)
森博嗣先生のS&Mシリーズ、そしてVシリーズには本当に格好良いタイトルが多いです。今回紹介したもの以外もセンスの良さは素晴らしいですが、とりあえず各シリーズから1作品ずつ紹介します。
S&Mシリーズからは『すべてがFになる』を紹介しました。
そしてVシリーズからはこの『夢・出会い・魔性(You May Die in My Show)』。
センスが良いのはもちろんですが、日本語のタイトルと英語のタイトルがあって、意味は違うんだけど音が完全に同じという所が面白い。
しかも、意味が違うと言っても両方とも作品に合ったタイトルになっている。
工夫のあるタイトルという意味では、他のセンスの良いタイトルの作品とはちょっと毛色が違うかもしれませんね。
17.狼と香辛料
シンプルですがセンスが良いと思うタイトルです。
例えば、超有名どころで言うと『トムとジェリー』と同じで登場人物を示す単語を並べただけのタイトルなのですが、特に『香辛料』という言葉を使っているのが面白い所。
『狼』が本作品のヒロインである賢狼ホロを示していることは明白ですが、『香辛料』は恐らく複数のものを示しているような気がします。
まずは主人公で商人のロレンスこと。商人だから『香辛料』というのが面白いですね。
また、文字通りの『香辛料』、すなわちホロにとってのロレンスが、逆にロレンスにとってのホロが、旅を面白おかしいものにするスパイスになっているという意味も込められているのではないかと思います。
『〇〇と〇〇』と固有名詞を並べるタイトルは数あれど、最もセンスの良い作品なのではないかと思っています。
18.アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
50年以上前のSF作品ですが、現代のラノベのような文章チックなタイトルになっているのが面白いですね。
文章チックなタイトルの元祖はどうやらラノベでは無かったようです。
しかし、文章チックなタイトルはあまり好かないのですが、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のタイトルはあまりにも特徴的で、各所でパロディネタで使われてもいるからか、何だか格好良いと感じてしまいます。
19.そして誰もいなくなった
何が起きたのかが一発でわかるタイトルですね。
文字通りの事件が発生するミステリー作品で、いわゆるクローズドサークルの中で行われる見立て殺人という、ミステリーとしては超王道といった感じの作品。
しかし、ミステリー作品なのに、何が起きたのかという結果をタイトルでネタバレしてしまっているのが面白い所。
まあ、だからと言ってこのタイトルだけで内容を理解できる人なんているわけもないので、本当の意味でのネタバレになっているわけではないから、ちゃんとミステリー作品にはなっているのが興味深いですね。
普通の文章だと『〇〇があった。そして誰もいなくなった』となるところの前半を省いているのだから当然と言えば当然でしょうか。
センスの良いタイトルには、こういう遊び心があるものも一つの種類としてありますね。
20.夜は短し歩けよ乙女
かなりのヒット作品であることは知っていますが実は未読。
しかし、あまりにも印象的なタイトルもあって、発売当時に本屋さんに平積みされていた時の状況を10年以上経った今でも思い出すことができます。
何だか素敵なタイトルの小説がたくさん並んでいるのがとても目立っていました。
今のところ、僕と『夜は短し歩けよ乙女』という作品の接点は、この「本屋さんに売っているのを見かけた」というただそれだけなのですが、いくら有名な作品でもこの程度の認識しか無い作品を何年も覚えていられるなんて、センスの良さがあってこそだと思います。
読んだことがあってそれなりに面白いと思った作品でも、タイトルは忘れてしまうようなこともありますからね。
21.最終兵器彼女
文字通りの意味で最終兵器である女の子がヒロインの漫画です。
いわゆるゼロ年代の世界系の代表格的な作品ですが、『最終兵器』という物騒な言葉と『彼女』という日常的な言葉が合わさっているのが興味を惹かれますね。
本作品を元ネタにしたチーム名のゲーム実況者もいたりして僕もよく動画を見ていますが、元ネタにしたくなるのもわかるセンスのタイトルですよね。
22.NHKにようこそ
日本放送協会じゃないですよ?
だけど、あきらかに日本放送協会を意識したタイトルですよね。タイトルロゴに電波みたいなマークが付いていますし。(笑)
しかし、このタイトルを見た人は「そうは言ってもあのNHKでは無いんだろうけど、じゃあ何なんだろう?」ってどうしても興味を惹かれますよね。
少なくとも、僕はその口でした。
ちなみに、本作品におけるNHKとは日本ひきこもり協会の略称となります。
23.時計じかけのオレンジ
いわゆるディストピア小説。
『時計じかけ』と『オレンジ』という、普通なら結びつかないような言葉が並んでいる点に興味を惹かれます。
僕の場合、レンタルビデオ店でのアルバイト時代に映画版のDVDを見かけて、「何だこのタイトルの作品は?」と気になったのが本作品の存在を知るキッカケでした。
しかし、その後見る機会、原作を読む機会も無かったのですが、10年以上前にDVDのパッケージをちょっと見かけたことがある程度の接点しか無かったのに今でも覚えているというのは、それだけセンスの良いタイトルだと感じたからなのだと思います。
24.イリヤの空、UFOの夏
『最終兵器彼女』と並んでゼロ年代を代表する世界系作品の一つ。
『〇〇の〇〇』というタイトルの作品は数多ありますが、それを二つ並べただけでとても印象深いタイトルになっていますね。
もちろん、何でも並べたら良くなるというものではないのだと思いますが、『イリヤの空 UFOの夏』はごちゃっとしていない綺麗なタイトルだと思います。
また、イリヤというのは本作品のヒロインの名前ですが、それがまたタイトルに合っているような気がします。
25.人類は衰退しました
文字通り人類は衰退して、人類より高度な文明を持つ妖精がいる世界の物語です。
極論、たった一言で表現した粗筋をタイトルにしているような作品ですが、だからでしょうか?
このタイトルだけを見て、僕は「人類が衰退してどうなったんだろう?」と一発で興味を惹かれました。
最近の文章チックなラノベのタイトルも、タイトルだけで粗筋を説明してしまおうという思想なのではないかと思っているのですが、それを『人類は衰退しました』と一言で表現しているのがセンスが良いですね。
26.クビキリサイクル
一見なんて事の無いタイトルですが、ミステリー作品であるにも関わらず、使用されたトリックのヒントがタイトルに含まれているという点が面白い。
タイトル以外にも、本文の最初の一文が実はネタバレになっていることが、二度目を読み返した人にだけ気付けるようになっているのも面白い仕掛け。
結構マジのネタバレで、気付いた時に「うわ~!」って脳内麻薬が分泌されているような感覚に浸れるのでここでは言及しませんが、興味がある人は是非読んでみて下さい。
また、続編の『クビシメロマンチスト』には表紙イラストにネタバレが含まれていたりして、そっちも面白いです。