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漫画、ラノベ、映画、アニメ、囲碁など、好きなものを紹介する雑記ブログです。

キャラクターの成長が熱くて魅力的な漫画・ラノベ・アニメ15選

 

90年代半ば週刊少年ジャンプで連載されていた『地獄先生ぬ~べ~』という漫画作品中に、主人公であるぬ~べ~を指してインスタントヒーローであると言及するセリフがありました。ぬ~べ~は作中でよくインスタントラーメンを食べているのでそのことを指している・・わけではなく、修行もしないで最初から強い主人公(ヒーロー)であるということを意味するメタなセリフでした。

特段こころに残る名言でも思わずクスっとしてしまうような迷言でもありませんが、しかし最近はこのセリフのことをよく思い出してしまいます。

なぜなら、近年量産されている異世界に転生して無双するような物語の主人公ってまさにインスタントヒーローという言葉がピッタリだと感じるからです。

そうでなくても昔ながらの少年漫画なんかでもインスタントヒーローは数多いですよね。もちろん、そういったキャラクターも作中で当たり前のように成長していきますし、そういう意味では初登場時では完成されていないのでそれをインスタントと一括りにされることは甚だ不本意なことなのかもしれませんし、何を以ってインスタントヒーローだとするのかは意見が分かれるところだと思います。

なんて、いろいろ言及してみましたが個人的にはこういったインスタントヒーローも僕は嫌いではありません。むしろ好きなので異世界転生ものの作品なども大好物だったりします。

しかし、一方で最初は未完成な状態だったキャラクターが徐々に成長していく姿が描かれているような作品も素晴らしいと思っています。

そういう作品のキャラクターはキラキラと輝いていますし、まさに成長する瞬間というものも分かったりしてそういうシーンでは胸が熱くなるもので、そこには最初から強いインスタントヒーローからは中々得られないようなカタルシスが存在します。

というわけで、本記事では個人的にキャラクターの成長が熱くて魅力的な漫画、ラノベ、アニメ作品を紹介していきます。

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1.金色のガッシュ

天才的に頭は良いけどそれが原因で周囲と馴染めず不貞腐れてしまっている中学生と、魔物の王様を巡る戦いに参戦しているのが不思議なほど弱い者であると認識されている上に記憶を失っている魔物が、タッグを組んで勝ち上がっていく姿がとにかく熱い作品です。

本作品は週刊少年サンデーの連載作品でしたが、週刊少年ジャンプの代名詞である友情・努力・勝利の三拍子が完璧に揃っています。しかし、何より本作品を魅力的なものに押し上げているのは友情・努力・勝利の3つ以上に強固な信念が主人公の二人にはある点です。

その信念とは、序盤のとある戦いをキッカケに「やさしい王様になる」という目標のことで、どう考えてもやさしい王様にはならないであろうと思える相手には何が何でも食らいついていく姿が激熱です。

いわゆるバトルロイヤル形式の戦いなので周囲は全員敵のはずなのに、自分たちと同じくやさしい王様になり得ると思えるものであればむしろ積極的に仲間になってしまうのも面白いところです。

つまり、二人の信念は正確には「やさしい王様になるのは誰でも良いけど、自分がなるに越したことはない」という柔軟な部分もあるものであり、それが根幹にあるからこそ本作品は熱くて面白いのだと思います。

ちなみに、個人的にはバトル要素のある作品の中でも最高傑作に近いものであると感じています。

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2.史上最強の弟子ケンイチ

いじめ対策のために空手部に入部したもののやっぱりいじめられている高校生が、様々な武術を極めた達人たちが共同生活を送る梁山泊の一番弟子となり、武術の才能は無いと言われながらも強烈な修行に耐えて成長していく姿が熱い作品となります。

史上最強の弟子がとにかくツライ修行にも耐える背景には「誰もが見て見ぬ振りをするような悪党どもをやっつけるヒーローになる」という強い信念があり、本来は強者を相手にはすぐにでも逃げ出したくなってしまうほど弱く、植物を育てるのが好きな温厚な性格なのですが、その信念のためには決して敵わないような達人にも立ち向かうことがあるのが面白いところです。

また、本作品の最大の特徴としては師匠である達人たちとその弟子たちの戦いは基本的には分別されている点で、これは他に類似例の無いほど個性的なものだと思います。

基本的に作中で達人と称される者は、主人公含め弟子クラスの者はどんな強者でも勝てないほど実力に開きがあるのですが、「弟子の戦いに師匠は出ない」という不文律があって師匠たちの戦いと弟子たちの戦いが分けられているので、それぞれの戦いが楽しめるのが魅力です。

時たまその垣根を越えて弟子たちが達人側と相対することもあったり、達人側がその弟子に影響されて成長することもあったり、キャラクターの相関関係も面白い作品です。

3.りゅうおうのおしごと

史上最年少の竜王となった少年に憧れた女子小学生が遠路はるばる家出して弟子入りしに来るという物語のラノベ作品ですが、ラノベ特融の可愛らしい女の子が表紙の作品とは思えないほど泥臭い熱さがあって、そこが魅力の作品でもあります。

史上最年少の竜王になったものの精神的に未熟な部分もあり全不調に陥っていた少年が弟子を育てることで良い方向に快調することを始め、様々なキャラクターが互いに影響しあって成長しながら戦っていく姿がとにかく熱いです。

将棋という双方の実力が伯仲しているほど面白い競技を題材にしているからか、対戦相手となるキャラクターもかなり深掘りされていて、例えば主人公側が敗れるような展開になったとしても納得できるほど全てのキャラクターに寄り添った描かれ方をしているのも魅力です。例外として、あえて象徴的な存在として現時点では深く描かれていない名人というキャラクターも存在しますが、それもまた面白いポイントだったりします。

多くの巻で女子小学生から中学生の女の子が表紙を飾るロリ系ラノベとしてはあまりにも例外的なことですが、一冊まるまる主人公の師匠であるオジサンが主人公になっているようなエピソードも存在するのが興味深いところで、本当に多くのキャラクターに寄り添って描かれていることを象徴しているのではないかと思います。

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4.まじかる タルるートくん

多くの人は最初の1巻目を読んだ時点でとあることに気付くはずです。何かといえば、もの凄く『ドラえもん』に似ているということにです。というのも、そもそも本作品は『ドラえもん』のアンチテーゼとして描かれた作品であり、そのことはファンの間では周知の事実なので当然といえば当然の話なのです。

マスコット的なキャラクターがいじめられっ子で弱虫な主人公の前に現れるという展開もそうですが、他の登場キャラクターの配置や役割にも『ドラえもん』を彷彿とさせるところがあります。まあ、『ドラえもん』よりは対象年齢が高めでかなり苛烈なバトルシーンや際どいお色気シーンもありますが、最大の違いはそこではありません。

ドラえもん』の場合、主人公ののび太には基本的に成長がありません。劇場版なんかでは素晴らしい人間性を見せたりすることもありますが、これはこの際横に置いておきましょう。(笑)

しかし、本作品の場合はとにかく主人公は成長していきます。『ドラえもん』における道具が本作品では魔法にあたるのですが、魔法に頼り切るのではなくそれはあくまでも成長するための道具の位置づけになっていく所が本作品の魅力であり、『ドラえもん』のアンチテーゼたる所以となります。

もちろん、『ドラえもん』が不朽の名作であることに異論はありませんが、主人公が成長する『ドラえもん』に興味がある人なら本作品も好きになれると思います。

ちなみに、本記事の紹介作品の中では最古となる作品なので知らない人も多いかと思いますが、アニメ版のキャストが今となってはとてつもなく豪華な作品でもあります。

5.カレイドスター

サーカスという珍しいテーマのオリジナルアニメ作品となります。主人公は新体操の経験者の少女で身体能力こそとても高いですが、演技については完全な素人で最初はかなり苦労することになります。

とにかく前向きな性格を武器に努力と根性で演者としても人間的にも成長していく姿が魅力的な作品です。

個人的に放送当時はキャラデザの雰囲気や放送時間から少女向けアニメのような印象を持っていましたが、どちらかといえばかなり泥臭いスポ根作品になっているところが興味深いところです。

想像ですが、サーカスのような演者の世界の表側はとても煌びやかでも、その裏側はとても泥臭いものなのだと思われます。

そして、本作品の魅力はそんな裏側にこそあります。あまりにも泥臭い努力と根性の世界という裏側があるからこそ、その先にある煌びやかさがより際立つのが素晴らしく感動的です。

歴代のオリジナルアニメの中でもトップクラスの名作だとは思うのですが、その割に知名度は低めなのが複雑なところ。本記事で興味を持った人は是非見てみてください。

6.ヒカルの碁

囲碁になんて興味すら無かった少年が囲碁を愛して止まない幽霊と出会い、少年を通してしか囲碁を打てない幽霊のために囲碁に触れていく内に囲碁の魅力に引き込まれていくという作品ですが、最初は才能を全く感じさせない初心者だったところからどんどんと強く成長していく姿が熱くて魅力的な作品です。

トップになるような人間は本当に幼い頃から修行しているような世界で出遅れたハンデのある主人公が、囲碁好きの幽霊が師匠としては優秀で才能を徐々に開花させていきます。

興味深いのは主人公の少年はここぞというクライマックス的な場面では結構敗北しているという点で、自分よりも強い相手を前に急激に成長して勝利するというような少年漫画の王道的な流れからは外れているところです。

自分よりも強い相手を前に急激に成長するものの一歩届かないというところにリアリティが感じられます。また、一歩届かないものの大きな成長が見受けられるのも面白いところです。

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7.ブルーピリオド

勉学の成績においても人付き合いにおいても要領が良く優秀だけど、どこかチャラい雰囲気のある高校二年生の少年が、ある日美術部に所属する先輩の描いた絵に魅了され、そしてそれに僅かながら影響された上で自身が美術の授業で描いた絵が褒められたことで、いつの間にか本気で絵画を学び一流の美術大学への進学を希望するようになるという作品です。

現役での合格は難しいとされる美術大学を高校二年生という遅すぎるタイミングで目指すことになるわけですが、そこに向けてひた向きに成長していく姿が眩しく感じられます。

しかし、本作品の一番の魅力は絵画というある意味では抽象的なものに主人公が魅了されるまでの描写があまりにも優れている点です。

絵画を見た時の感動ほど言葉で表現しづらいものはあまり無いと思うのですが、とにかく主人公の感動がひしひしと伝わってくるのが本作品の魅力であり、そんな感動が分かるからこそ主人公の頑張る姿に説得力もあるように感じられます。

本記事で紹介している作品の中では比較的新しい作品であり、これからが楽しみでもあります。

8.ガンバ!Fly high

跳び箱も跳べないような中学生が、オリンピックで金メダルが取りたいのだと宣言しながら弱小体操部に入部し、その場は一笑に付されるものの徐々にそれが現実味を帯びてくるほど成長していく作品となります。

スポーツ漫画としてはオーソドックスな展開の作品ではありますが、同様にスポーツ漫画においてマンネリ化しやすい試合ごとのエピソードに誰かしらの成長や試合そのものとは実のところあまり関係の無いドラマが描かれていたりもして、そういうところが魅力的な作品でもあります。

そして、スポーツ漫画らしくライバルキャラは登場するものの、主人公のスタンスはあくまでも自分との戦いという考えに近いもので、今までできなかったことができるようになることを楽しむというものとなります。

つまり、キャラクターの成長する作品には頑張っているツライ姿を見せることも多いと思うのですが、本作品の場合は誰よりも努力しているはずなのにツライ顔を見せることが少ないというよく考えると独特な性質があって、それもまた本作品の魅力であると感じます。

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9.ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

冒険者が集まる都市にあるダンジョンにやってきた駆け出し冒険者の少年が、ダンジョン内で不相応なレベルのモンスターに襲われているところを間一髪で一流の女冒険者に助けられ、その衝撃的な出会いから一目惚れしてしまい、その憧憬から規格外の成長力で女冒険者に追い付こうとしていくという作品となります。

ファンタジー作品における主人公には何かしら突出したところがあるものですが、本作品の主人公の場合はそれが成長力となるので、まさに本記事のテーマにピッタリな作品でもありますね。

主人公の成長力は本当に規格外ではあるものの、しかし上には上がいて前述の女冒険者を含めどんなに成長してもまだまだ届かない冒険者やモンスターは山ほど存在します。

そうした高みにいる冒険者と、主人公とその周辺の冒険者の活躍が棲み分けて描かれているようなところもあり、その視点の違いも本作品の面白いところです。

10.ベイビーステップ

変人扱いされるほど几帳面な性格で、授業中に取っているノートにもそれが反映されていて当然のように成績優秀な少年が、運動不足の解消を理由に訪れたテニスクラブでプロプレイヤーを目指す隣のクラスの少女に出会ったことをキッカケに、自分自身もテニスにのめり込んでいくようになるという作品です。

生来の几帳面な性格はテニスプレイヤーとしても非常に個性的な武器となり、試合中ですらノートで試行錯誤する姿を見せて対戦相手を驚かせるほど。

それのだけを切り取ってみればかなりの変人ですが、ある意味では学んだことを素直に吸収していくことに繋がっているわけで、テニスを始めた時期は遅かったものの次々と強敵に勝利するほど成長していくことになります。

ずば抜けた才能があるというよりは、ただただ素直に分かりやすく成長していく主人公が魅力的な作品だと思います。

11.ダイの大冒険

国民的なRPGである『ドラゴンクエスト』を元ネタとした漫画ですが、RPGといえば最初は低いレベルから徐々に成長していき、できることが増えていくのが魅力のゲームとなります。同じように本作品の主人公は特別な力を持った少年ではあるものの、しかし最初から強いわけではなく、いざ強さを発揮したらしたで自らが助けられた人々から怖がられてしまうようなこともあったり、常に逆境にいるようなところがあります。

しかし、本作品における最大の成長株は主人公ではなくその親友ポジのキャラクターとなります。当初は誰よりも臆病で常に逃げ腰であり、仲間を見捨ててしまうような場面もあったりするのですが、最後には誰よりも勇気を持ったキャラクターへと成長します。

常に冷静だったり恐いもの知らずだったりするキャラクターもそれはそれで格好良いですが、臆病だからこそ共感できる部分も多く、そんな共感できるキャラクターが勇気を振り絞っている姿が熱くて魅力的に感じられます。

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12.あさひなぐ

ドジで運動音痴な上に背が低くて非力な主人公が薙刀を始めるものの、体格的にも体力的にも明らかにハンデがあるためこれが現実ならすぐに辞めてしまうことが見え見えというような状態だったのですが、憧れと不屈の根性でいつの間にか他の部員から頼られるほど強く成長していくという作品となります。

どんなに強く成長しても精神的に常に未完成な部分があるところにリアリティがあって面白いです。ある時は精神的に無敵な状態に見えたかと思えば、それが脆く崩れてしまったり、未完成な部分があるからこそその先が楽しみに感じられます。

また、主に薙刀団体戦をテーマにしていることもあって、チームとしての成長が描かれているのも興味深いところです。

13.ちはやふる

競技カルタというコアな世界を題材とした少女漫画ですが、まるで少年漫画にあるような熱血スポーツ漫画を彷彿とさせるほど熱い作品となります。

自分自身の夢を持っていなかったが、小学生の頃に転校性の少年の影響で競技カルタに興味を持った主人公が、すごい行動力でかるた部を新設して全国大会の優勝を目指すのですが、主人公自身の熱のある行動力と団体競技として勝ち上がって行くまでの成長の過程が爽快に感じられます。

また、近年ではクイーンを目指す主人公個人の活躍にスポットが当てられており、序中盤とは違った熱さが感じられるのも面白いところです。

14.ラブひな

キャラクターの成長が熱くて魅力的な作品といえば、やっぱりスポーツものや部活もの、それにバトル要素のある作品が思い浮かびやすいかと思いますが、いわゆるハーレムものラブコメの中にもそういう作品はあります。

といっても本作品の場合は受験という要素もあるのですが、平均にも満たない学力で東大を目指して三浪しているダメダメな主人公が、学力的にも人間的にも大きく成長していく姿に共感が持てます。

受験生という多くの人に馴染みのある立ち位置のキャラクターだからこそ、本作品の主人公にはどこか見守っていたくなるような魅力があると思います。

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15.暗殺教室

1年後に地球を爆破すると宣言した誰にも殺せない担任教師を生徒たちが試行錯誤して暗殺しようとすることを通して成長していくというあまりにも個性的な作品ですが、個性的なだけではなく非常に完成度の高い名作となります。

暗殺対象であるはずの担任教師が、暗殺しようとする生徒たちに好かれている部分もあったり、暗殺する者とされる者の絆というか信頼関係が育まれていくのですが、そんな特殊な状況に妙な説得力があるのが興味深いところです。