ハーレム・お色気系作品が苦手な人でも楽しめるハーレム系作品11選
どんな時代にも一定数存在するハーレム・お色気系作品。
ほとんどの漫画雑誌に1作品くらいはハーレム・お色気系作品の枠がありますし、ライトノベルであればハーレム・お色気系作品でなくても大なり小なりハーレム・お色気系の要素が入っている作品が非常に多いです。
また、他ジャンルよりも作品数が少ないからか、アニメ化される可能性が高いという印象もありますね。
そして、その作品数の多さは、それだけハーレム・お色気系に人気がある証拠なのだと思います。
しかし、一方でかなり好き嫌いが分かれるジャンルなのではないでしょうか?
一人の主人公に対して多くの異性が好意を抱く。あたかも恋人同士のように振舞っているような部分が、例えば同じラブコメでも純愛的な作品の方が好きな層には不誠実で不自然なものに思えてしまうからなのだと思います。
また、お色気系作品のあまりにもリアリティが感じられない点に嫌悪感を抱いてしまう人も少なくないのではないでしょうか?
少なくとも僕はそう感じていて、他ジャンルの作品に比べるとハーレム・お色気系作品がちょっと苦手です。
とはいえ、ハーレム・お色気系というジャンルが苦手であることは、ハーレム・お色気系作品の全てが苦手であるということとイコールではありません。
中には、とても面白い名作だと感じるような作品も一定量存在するのです。
だからハーレム・お色気系作品が苦手な人も、その全てを毛嫌いせずに少し触れてみるのはいがかでしょうか?
本記事は、ハーレム・お色気系作品が苦手な僕が、それでも面白いと感じている作品を紹介するものです。
どんなハーレム・お色気系作品に手を出せば良いか迷うようであれば、参考にしていただけると幸いに思います。
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- 1.ラブひな
- 2.魔法先生ネギま!
- 3.まほらば
- 4.よなかのれいじにハーレムを!!
- 5.ニセコイ
- 6.冴えない彼女の育てかた
- 7.らんま1/2
- 8.弱キャラ友崎くん
- 9.俺を好きなのはお前だけかよ
- 10.ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?
- 11.僕は友達が少ない
1.ラブひな
東京大学への合格を目指す主人公の浦島景太郎が、女子寮「ひなた荘」の管理人となり、住人の女の子たちとドタバタを繰り広げるラブコメ作品となります。
この手の作品には、ちょっとエッチなお色気シーンのゴリ押しで薄っぺらい所がある作品が多いような気がするのですが、『ラブひな』に関しては全くそんなことはありません。
東京大学を目指す受験生の物語として主軸がしっかりとした作品で、記号的なお色気キャラではない、ちゃんと人間が描かれている作品だと思います。
主人公の浦島景太郎も、ヒロインの一人一人も、濃密にキャラクターが作り込まれていて、それぞれの成長が描かれているのがこの作品の魅力的な所。
だから、キャラクターの成長を描く物語が好きな人には合っているのではないかと思います。
もう20年ほど前の作品となりますが、今読んでも面白い名作であることは間違いありません!
ちなみに、個人的にはハーレム系・お色気系作品と聞いて真っ先に思い浮かぶ作品となります。
2.魔法先生ネギま!
主人公のネギ・スプリングフィールドは9歳の天才少年。
年上の中学生女子のクラスを受け持つ教師として、その生徒の女子中学生たちとドタバタを繰り広げるコメディ作品が『魔法先生ネギま!』となります。
見た目も性格も能力も違う30人を超える女の子を、圧倒的な画力と筆力で描き分けている見事としか言いようのない名作です。
また、特に序盤はハーレム・お色気系作品としての色が強い作品ではありますが、そこに超王道的な少年漫画らしい魔法ファンタジー・バトルの要素もあり、そういった作品が好きな人にとってもトップクラスに面白いと思える作品であることは間違いないと思います。
3.まほらば
小島あきら先生による『まほらば』は、絵本作家を目指す主人公の白鳥隆士が鳴滝荘に入居する所から物語が始まります。
『ラブひな』もそうでしたが、この手の作品には特定の居場所が舞台になっている作品が多いような気がします。
この辺は恐らく高橋留美子先生の『めぞん一刻』からの系譜かと思われますが、こういう箱庭的な居場所って何だか憧れるし、受け入れられやすいのかもしれませんね。
『まほらば』というタイトルも理想郷を意味するようで、そういう意味では居場所にこだわった作品なのだと思います。
お色気要素は少なめですが、ちょっと変わったハーレム要素のある作品となります。
メインヒロインの蒼葉梢は、実は主人格を含めて5人の人格を共有する多重人格者で、そこには過去のトラウマなんかもあったりするのですが・・
その5人ともが主人公の白鳥隆士に惹かれているという点が珍しい。
実質1人のヒロインによるハーレム系作品ということになりますからね。
それに、大抵のハーレム系作品は最終的に1人のヒロインと結ばれるような結末をたどりますが、『まほらば』の場合はある意味すべてのヒロインにとってのハッピーエンドとなるのが興味深い所。
結末が本当に美しい作品だと思います。
ハッピーエンドの作品が好きな人は、こんなに素敵なハッピーエンドの作品も珍しいので是非確かめてみてほしいですね。
4.よなかのれいじにハーレムを!!
本記事でオススメしている作品の中では最も新しく、真価が問われるのはまだまだこれからという『よなかのれいじにハーレムを!!』ですが、『まほらば』の小島あきら先生の原作ということでかなり期待している作品となります。
寂しがり屋の幽霊の女の子が、自分のことが見える夜中野零時の子孫もまた自分のことが見えるのではないかと考え、数多くの女の子と子作りさせようと画策するというちょっとエッチなハーレムコメディ。
その設定上『まほらば』に比べるとお色気要素が強いですが、『まほらば』と同じで素朴な可愛らしさのあるヒロインも登場するので、小島あきら先生のファンなら面白いと思えるのではないでしょうか?
個人的には、この「ちょっとエッチな」という要素のある作品群自体は、もっと別のところで面白さを出して欲しいと思うのであまり好きになれない所もあるのですが、それを差し引いても今続刊を最も楽しみにしている漫画の一つとなります。
5.ニセコイ
『ニセコイ』は、週刊少年ジャンプのラブコメ枠作品としては最長となる5年近く連載していた作品となります。
それだけ人気のあった作品だということですね。
ヤクザ(集英組)組長の息子の一条楽と、ギャング(ビーハイブ)のボスの娘の桐崎千棘が、集英組とビーハイブの諍いを収めるために偽物の恋人同士となる所から物語が始まります。
とはいえ、一条楽には幼い頃に愛を誓った女の子がいます。
名前や顔は思い出せないものの、一条楽は約束の女の子に一途なのですが、この約束の女の子が誰なのかという所を巡って繰り広げられるドタバタコメディが本作品の見所となります。
そういえば、名前や顔は覚えていない女の子との幼い日の約束といえば、『ラブひな』と同じです。
ハーレム系作品において、ヒロインとの過去エピソードは一種の定番なのかもしれませんね。
6.冴えない彼女の育てかた
『冴えない彼女の育てかた』は、主人公の安芸倫也が一人の目立たないモブっぽい少女を主人公とした同人ゲームを作り上げるためにプロデュースしていくという物語となります。
この同人ゲームを作り上げるために集まったクリエイターたちがヒロインとなるハーレム要素のある作品ですが、それ以上に物作りに伴う苦悩や熱さがうまく描かれている点が『冴えない彼女の育てかた』の魅力的な所。
最初からメインヒロインは明らかなのですが、モブっぽいというか目立たない女の子ということもあって、最初は他のヒロインにもメインヒロイン並みにスポットが当たっているのが面白いです。
ただし、読者視点から見ると目立たないという個性でメインヒロインは目立ちまくってるんですけどね。(笑)
物作り系の物語が好きな人なら、ハーレム系作品が苦手でも楽しめるのではないかと思います。
7.らんま1/2
平成初期の名作中の名作『らんま1/2』。
主人公の早乙女乱馬の周りには、許嫁の天道あかねがいるのも構わずに乱馬にアプローチするヒロインがたくさんいます。
主人公の乱馬に限らず、他のキャラクターたちの人間関係もあちこちで三角形になっていて非常に複雑なのですが、高橋留美子先生の描く漫画はこういう複雑な人間関係を面白おかしくコメディに変換するのが超上手いですよね。
作品の雰囲気的には王道的な少年漫画っぽいですが、中心となるエピソードにはハーレム系ラブコメ的なものが多いのが興味深いところ。
というわけで、ハーレム系作品とは感じさせないような雰囲気の作品なので「ハーレム系作品はちょっと・・」という人でも一番手が出しやすい作品なのではないでしょうか?
8.弱キャラ友崎くん
人生というゲームを楽しむ『弱キャラ友崎くん』。
あるゲームで日本一になるほどの腕前を持つ主人公・友崎文也は、「クソゲー」である人生には真面目ではありません。
しかし、パーフェクトヒロイン日南との出会いにより、人生という「神ゲー」に向き合うことにした友崎文也は、日南の出す課題をこなしながら次第に人生を楽しむようになっていくという物語となります。
ちょっと本記事の趣旨からはズレた作品かもしれませんが、特定のヒロインと恋愛するのではなく、数多くのヒロインと関わり合いになっていく作品という意味で対象に含めました。
人生をゲームに例えて友崎君を指南していく日南さんの課題が、強引ではあっても意外となるほどと思わされるものなのも面白いし、徐々に人間的にレベルアップしていく友崎君も魅力的なキャラクターだと思います。
個人的には、今一番おもしろい学園青春もののライトノベルだと思っています。
9.俺を好きなのはお前だけかよ
少々・・
いや、かなりエッジの効いた学園ラブコメが『俺を好きなのはお前だけかよ』となります。
物語の序盤は、主人公の如月雨露がモテにモテるハーレムものなのかと思いきや、タイトルの通り主人公のことを好きだったのは実は1人だけでした。
しかし、後から主人公に惹かれるヒロインも増えていき徐々にハーレムもの作品の様相を備えてきます。
それだけなら普通のよくあるハーレムもの作品ですが、この作品が面白いと思う2つの要素があります。
1つは、主人公もヒロインたちも良い部分も悪い部分も凄く尖っているという点。
何こいつメッチャいけすかないと思っていたらメッチャ良い奴だったり、その逆だったりということが非常に多いのですが、それでいてキャラクターが破綻しているかというとそういうわけでも無いという所が面白いと思います。
2つは、主人公が非常に魅力的なキャラクターをしているという点。
こういうハーレムものの作品では主人公にモブっぽさがある作品も多いと思うのですが、本作品では良い部分も悪い部分も尖っている度でも主人公がトップクラスなのです。
また、物語で果たす役割的にもおいしい所を持っていくというか、ヒロイン以上の魅力を備えたキャラクターだと言えます。
そういえば、本作品に限らず本記事で紹介しているハーレム・お色気系作品が苦手な人でも楽しめるハーレム系作品の中には、こういう主人公のキャラクターが素晴らしい作品が多いような気がしますね。
10.ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?
『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』は、いわゆるオンラインゲームを一緒に遊んでいる仲間たちが、主人公の西村英騎以外が女性キャラクターであるという点がハーレム的な作品となります。
とはいえ、メインヒロイン以外も主人公に好意を示しているというような類の作品ではありません。
あくまでもメインヒロイン以外のヒロインの立ち位置は、一緒にオンラインゲームを楽しむ友達という関係性に留まります。
あまり女性がやっているイメージの無いオンラインゲームを、可愛らしい女の子とワイワイ楽しそうにプレイしている様が魅力的な作品となります。
実は、メインヒロインのベタベタした感じはあまり好きではないのですが、主人公と他のヒロインとのサバサバとした友人関係ってメッチャ良いと思います。
11.僕は友達が少ない
キャッチコピーは「残念系青春ラブコメ」だという残念なラブコメ。
『僕は友達が少ない』の主人公・羽瀬川小鷹の置かれている状況は明らかにハーレム系作品のそれなのに、ほとんどそれを感じさせない残念さが魅力的な作品です。
ハーレム系作品にありがちなドタバタコメディが繰り広げられますが、うまく言葉で説明できないものの、他には無い個性的なドタバタコメディだと思います。
お互いに友達だとは思っていないのに、実のところ普通の友達よりも親密になっていっているとまでいえる隣人部の面々の残念さが際立ちますが、それだけにエンターテイメント作品としての面白さもまた際立っていると思います。